石垣謙二「作用性用言反撥の法則」
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[[石垣謙二]](1942)
「作用性用言反撥の法則」
『國語と國文學』昭和十七年五月
>>
一 形状性用言と作用性用言
二 形状性名詞句と作用性名詞句
三 形状性複文と作用性複文
四 作用性用言反撥の法則
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http://www62.atwiki.jp/kotozora/pages/45.html
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一 形状性用言と作用性用言
離屋翁鈴木朖大人は、その著「言語四種論」に於て、用言の...
>>
用ノ詞、ハタラク詞、活語ナント、古來一ツニ言來レルヲバ、...
<<
右の類別法が用言を動詞・形容詞に二大分する普通一般の類...
形状・作用の分類は獨立詞たる用言のみならず、附屬辭たる...
右の離屋翁の分類は次の如く約言する事が出來るであらう。
>>
國語に於ける總ての活用語は、終止形がイの韻に終るものとウ...
<<
さて、かく形態的に規定する時、形状性用言は必ず事物の形...
一、見ゆ・聞こゆ・思ほゆ(おぼゆ)
之等の語は、事物の作用を表さずして、其の事物を「見」「聞...
二、侍ふ・候ふ・おはす之等の語は、もと夫々特有の作用を...
三、といふ・になる
「といふ」とは名稱を表す場合に用ゐ、「になる」とは年齡を...
四、ず・む
否定の助動詞「ず」は終止形がウの韻に終るものであるが、そ...
形状・作用の分類に於て例外と認むべきものは右の數語のみ...
さて、右の數語即ち形態上からは終止形ウ韻の活用語であり...
>>
一、形容詞
ク活用、シク活用
二、動 詞
ラ行變格活用、見ユ・聞コユ・思ホユ、侍フ・候フ・オ...
三、助動詞
ベシ・タシ・ゴトシ・マジ・マホシ、タリ・リ・ケリ・...
<<
從つて、右以外のすべての活用語が作用性用言である。かかる...
二 形状性名詞句と作用性名詞句
助詞「の」は體言(又は之に準ずるもの)と用言とを結合して...
(1) 友の遠方より訪れたるを喜ぶ。
(2) 友の遠方より訪れたるをもてなす。
右の(1)働に於て傍線の部分は夫々「喜ぶ」「もてなす」に對し...
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以下略
>>
| | 形容詞 | ラ変動詞 | ベし | まじ | まほし | たり |...
| 宣命| | 1| 1| | | | | | | | | | | | | | | | 1| | |
| 祝詞| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| 竹取| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| 伊勢| 2| | | | | 1| | 5| 1| | | | | | | | | | | | 1|
| 土佐| 1| | | | | 1| 2| | | | | | | | | | | | | | |
| 大和| 4| 2| | | | 4| 5| 8| 1| | | | | | | 1| | | | | |
| 源氏| 59| 36| 6| 2| 2| 109| 63| 7| 36| | 16| 4| 2| 1| 1...
| 今昔| 56| 61| 5| | | 107| 113| 129| 12| 3| | 9| | 5| 2|...
| 宇治| 16| 18| 2| | | 37| 35| 31| 1| | | 5| | | | | | 5|...
| 著聞| 9| 3| | | | 23| 12| 35| 2| | | | | 2| | | | | 1| ...
| 愚管| 1| 1| 1| 1| | 1| 7| 16| | | | 5| | | 3| | 1| 3| 2...
| 保元| 1| | | | 1| 6| 2| 1| | | | | | | | | | | | | |
| 平治| 2| | | | | 5| | 2| | | | 1| | | | | | | 1| | |
| 計 | 115| 122| 15| 3| 3| 294| 239| 234| 53| 3| 16| 24|...
即ち「の」が關係代名詞的に用ゐられる名詞句に於て「の」の...
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<!--
さて右の如く名詞句に於ける「の」助詞には異つた二種を識...
右の表は、關係代名詞的の「の」によつて構成される名詞句...
奪靈乃子菰遠流天尋京都仁召上天臣止成无(三四詔)
しろき鳥のはしとあしとあかき、しぎの大きさなる、水の上に...
文時・惟茂が舟の遲れたりし、奈良志津より室津へ來ぬ (土...
此の大徳の親族なりける人の女の内裏に奉らんとてかしづきけ...
友だちの人をうしなへるが許 (伊勢物語)
又準形状性用言の例は、
紙の御几帳の側より仄見ゆるを取りて (源氏横笛)
所領の候を人におしとられて候 (著聞集五)
神ノ御スルガ人ヲ生蟄二食也 (今昔廿六)
女の辨といふを呼び出でて (源氏葵)
王子ノ四ニナラセ給ヲ踐祚シテ (愚管抄六)
兄弟などにはあらぬ人の、氣近く言ひ通ひて事に觸れつ二自ら...
猶、室町時代に入ると、國語の活用語は大體終止形連體形の...
以上により、嚮の(1)の「の」、即ち關係代名詞的の「の」に...
嫡腹の限りなくと思すは、はかみ丶しうも得あらぬに (源...
物怪の現れ出で來るも無きに (同柏木)
京の家の限りなくと磨くも、え斯うはあらぬやと覺ゆ (同...
山人ノ行キ通ズル、五人有ケリ (今昔五)
大ル童ノ本ヨリ仕ル有リ (同十二)
女ノ清水二彊二參ル有ケリ (同十六)
僧 共ノ相知ル、有テ (同十七)
圓ナル物ノ光ル有ケリ (同二十七)
武者ノ通ル有ケリ (同二十九)
節會の袍とてほのろ丶とある物の人にかすなどが有けるを...
妻のいと物ねたみする有けり (同十六)
嬋の露をのまんとするあり (同二十)
たよりなかりける女の清水にあながちにまいる、ありけり...
入たるもののかへりゆくなし (同十一)
唐人の雫いみじくをくありけり (同十四)
之等の例を通覽する時は,自ら一の共遘な現象に氣附かざるを得...
嚮の表に於ける「其の他」の中から、右の如き例を除き去る...
(1) 人のむすめのかしつく、いかでこのおとこに物いはんと...
働 受領どもの面白き家造り好むが、この宮の木立を心に附...
㈲ 夜光ル玉ノ目出タク明ク照スヲ持テ (今昔十)
㈲ 船ノ行クガ、島隱レ爲ルヲ (同二十四)
㈲ 女ノ形チ美ト聞クヲバ、宮仕人ヲモ人ノ娘ヲモ見殘ス无...
暁ハシ
㈹す父めのおどりありくを、石をとりてもしやとてうてば (...
Gり このとらの人くふを、やすく射ん (同十二)
の七例のみとなつて了ふ。而も㈲の「が」を接續助詞と見、⑥の...
故に今、關係代名詞的「の」助詞によつて構成される名詞句...
形状性名詞句が形状性用言のみを要求することは上來考察し...
(1) 友の遠方より訪れたるを喜ぶ。
(2) 友の遠方より訪れたるをもてなす。
に於て傍線の部分は(1)は作用性名詞句、(2)は形状性名詞句で...
さて、名詞句に形状性のものと作用性のものと二種が存する...
故に、上來考察し來つた處を要約すると次の如くになるので...
すべての名詞句は形状性名詞句と作用性名詞句の二種に分れる...
三 形状性複文と作用性複文
前節に於て、形状性名詞句は必ず形状性用言のみを有する事...
名詞句鳶用言(・は助詞を伴はぬ印)
の二つだけである。而して此の名詞句が、前節で看た樣に形状...
宍三四、衣手に水澁つくまで植ゑし田を引板吾が延へ守れる...
二五天、吾妹子し吾を邊ると白細布の袖漬づまでに哭きし念...
晃三、いつまでに生かむ命ぞ凡は戀ひつつあらずは死なむ勝...
之等は皆作用性名詞句を主部とする複文であり波線は名詞句の...
三四四九、しろたへの衣の袖を眞久良我よ海人榜ぎ來見ゆ(許...
の如く、終止形の用言より成る特殊の作用性名詞句をもつ複文...
一究、あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隱ら...
の如き、所謂ク語法による特殊な形が相當頻繁に用ゐられてゐ...
(1) 形容詞の終止形に、助詞「も」又は接辭「み」の副つた...
(2) 形容詞の連體形
㈹ 形容詞の連用形
の如く形容詞のみであり、僅かに
一六〇九、宇陀の野の秋萩凌ぎ鳴く鹿も、妻に戀ふらく我に...
二9三、相見らく飽き足らねども(相見久厭雖不足)いなのめの...
の二例のみが動詞であるが、之等も「じ」「ず」の兩助動詞共...
かくの如く、萬葉集に在つては作用性名詞句を主部とする複...
表略
上の表の如く、すべて形状性用言のみである事を實證し得る...
手叩けば山彦の答ふる、いと煩はし (源氏夕顔)
筆の行く、限りありて (源氏繪合)
コノ宴ヲオコサル丶、然ルベシ (愚管抄六)
目はなにいる、たへがたし (宇治拾遺十一)
一ノ牛ヲ殺シテ其ノ報ヲ受ケム、併如レ此シ (今昔
二)
汝ヂ出家ノ人香油ヲ身二塗ル、糞ヲ塗ルニ似タリ (今昔二)
斯く迎ふるを翁は泣き歎く、能はぬ事なり (竹取)
其女、カノ強キ、入ノ力百人ニ當リケリ(今昔廿三)
われきのふ物語せんと思ひしに我を見ざりし、ほいをそむ...
壹演召二隨テ參テ大臣ノ御枕上ニシテ金剛般若經ヲ讀誦ス...
現二人ヲ馬二打成ケル、更ニ不二心得一ズ (今昔卅一)
下人も數多く頼もしげなる氣色にて橋より今渡り來る、見...
此禪師ヲ取テ打出ントシケル、又聞ヘテ (愚管抄六)
生きたらじと思ひ沈み給へる、理と覺ゆれば (源氏玉鬘)
右によつて作用性名詞句を主部とする複文の用言が必ず形状...
わがきぬはがんとしつる男のにはかにうせぬ惹があやしけ...
水のなきが大事なれば (同七)
もトヨシきノ
さばかり語らひつるが流石に覺えて (竹取)
以上考察し來つた所を要すれば、作用性名詞句を主部とする...
作用性名詞句{む形状性用言。
となるのである。
之に反して、主部が形状性名詞句の場合は
ある人の子の童なる、ひそかにいふ (土佐)
新院ノ御ヲモイ人ノ烏丸殿トテアリシ、イマダ生タリケレ...
女のまだ世へずとおぼえたるが入の御もとにしのびて (伊...
香の御・唐櫃に入れたりけるがいと懷かしく香りたるを (...
の如く、助詞を件はぬ形式も「が」に依る形式も共に複文の述...
形状性名詞句{㌍すべての用言。
となるのである。
前節で述べた樣に、作用性名詞句は「事」といふ體言の資格...
友の遠方より訪れたる(事)が嬉しきなり。
友の遠方より訪れたる(者)が戸口にて呼ぶ。
の如くになり、隨つて、作用性名詞句を主部とする複文の述語...
作用性複文の述語は如何なる用言をも採り得るが、形状性複...
四 作用性用言反撥の法則
以上論じ來つた處を整理すると次の如くになる。
第一則
國語に於ける總ての活用語は、終止形がイの韻に終るものと...
第二則
すべての名詞句は、事物の屬性を作用的な相に於て述定する...
第三則
名詞句を主部とする總ての複文は、主部の屬性を作用的な相...
今第二則を圖示するに、係助詞共他によるものを姑く措き、格...
(1) 作用性名詞句の構造
吻}輪鞴詬
(2) 一般形状性名詞句の構造
吻}形状性用言
㈹特殊形状性名詞句の構造
輌作用性用言守歌性里一目
次に第三則を圖示すれば、
㈲ 作用性複文の構造
㈲
形状性霾轟轜詬
形状性複文の構造
作用性名詞⊥が}形籍言
故に(1)を㈲に代入し、(2)を㈲に代入する事によつて次の如き...
(甲)
(乙)
(丙)
脚纛難}コ形奮一高
胸}形状性用言{髴齷嬰冖
胸}作用性用言コ形篶昌一肖
右に於て (乙)(丙)は作用性...
形式として認められてゐる「の」助詞による形式・「が」助詞...
の異つた複文形式が可能である事になる。而も之等の三十形式...
第四則
名詞句を主部とする總ての複文に於て、名詞句の用言か複文...
右の原則を私は假に「作用性用言反撥の法則」と命名しようと...
「の」助詞と「が」助詞との組合せの形式について、源氏物...
(イ) 「の」が作用性名詞句を構成し「が」の續く語のみ形...
この君のいたくまめだち過して常にもどき給ふが妬きを (...
(ロ) 一の」が作用性名詞句を構域し「が」の續く語も承け...
年頃に習ひ侍りにける宮仕の今はとて絶え侍らむが心細き...
(ハ) 「の」が形状性名詞句を構成し「が」の承ける語のみ...
よからぬ狐などいふなる物の諮れたるが亡き人の面伏なる...
(二) 「の」が形状性名詞句を構咸し「が」の承ける語も續...
雲の薄く渡れるが鈍色なるを (薄雲)
(ホ) 「の」が形状性名詞句を構成し「が」の續く語のみ形...
こよなく衰へたる宮仕人などの巖の中尋ぬるが落ち留れる...
右の如く五種類に限るのである。「が」の承ける語も續く語も...
子供の群がるが騷ぐ
と云ふが如き形式は、國語に於て一の複文を成立せしめる事が...
子供の群がるが騒がし
の如く「が」の續く語を形状性用言として、作用性名詞句を主...
子供の群がれるが騷ぐ
の如く「が」の承ける語を形状性用言として、形状性名詞句を...
室町時代以後ラ變活用の消滅によつて、形状性用言・作用性...
滝艦の進むのは立派だ、タンクの走るのは凄い
戸軍艦の立派なのが溜制 尸タンクの劇凶のが翻
-->
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| | 形容詞 | ラ変動詞 | ベし | かたし | ごとし | たり...
| 竹取| | | | | | | 1| | | | | | | |
| 伊勢| | | | | | | | | | | | | | |
| 土佐| | | | | | | | | | | | | | |
| 大和| 2| | | | | | 3| | | ...
| 源氏| 71| 9| | | | | 63| | | |...
| 今昔| 22| 16| 1| | 2| 2| 92| 1| | 1| 1|...
| 宇治| 10| 1| | 1| | | 10| | | ...
| 著聞| 31| 4| 3| | 1| | 71| | 1| | ...
| 愚管| 5| | 1| | | | 4| | | ...
| 保元| | 1| | | | | 2| | | ...
| 平治| | | | | | | 1 | | ...
| 計 | 141| 31| 5| 1| 3| 3| 247| 1| 1| 1|...
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右の如き關係を見得るのである。故に作用性用言反撥の法則は...
離屋翁鈴木朖大人の用言分類に於ける方法は、右の如く國語...
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[[石垣謙二]](1942)
「作用性用言反撥の法則」
『國語と國文學』昭和十七年五月
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一 形状性用言と作用性用言
二 形状性名詞句と作用性名詞句
三 形状性複文と作用性複文
四 作用性用言反撥の法則
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一 形状性用言と作用性用言
離屋翁鈴木朖大人は、その著「言語四種論」に於て、用言の...
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用ノ詞、ハタラク詞、活語ナント、古來一ツニ言來レルヲバ、...
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右の類別法が用言を動詞・形容詞に二大分する普通一般の類...
形状・作用の分類は獨立詞たる用言のみならず、附屬辭たる...
右の離屋翁の分類は次の如く約言する事が出來るであらう。
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國語に於ける總ての活用語は、終止形がイの韻に終るものとウ...
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さて、かく形態的に規定する時、形状性用言は必ず事物の形...
一、見ゆ・聞こゆ・思ほゆ(おぼゆ)
之等の語は、事物の作用を表さずして、其の事物を「見」「聞...
二、侍ふ・候ふ・おはす之等の語は、もと夫々特有の作用を...
三、といふ・になる
「といふ」とは名稱を表す場合に用ゐ、「になる」とは年齡を...
四、ず・む
否定の助動詞「ず」は終止形がウの韻に終るものであるが、そ...
形状・作用の分類に於て例外と認むべきものは右の數語のみ...
さて、右の數語即ち形態上からは終止形ウ韻の活用語であり...
>>
一、形容詞
ク活用、シク活用
二、動 詞
ラ行變格活用、見ユ・聞コユ・思ホユ、侍フ・候フ・オ...
三、助動詞
ベシ・タシ・ゴトシ・マジ・マホシ、タリ・リ・ケリ・...
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從つて、右以外のすべての活用語が作用性用言である。かかる...
二 形状性名詞句と作用性名詞句
助詞「の」は體言(又は之に準ずるもの)と用言とを結合して...
(1) 友の遠方より訪れたるを喜ぶ。
(2) 友の遠方より訪れたるをもてなす。
右の(1)働に於て傍線の部分は夫々「喜ぶ」「もてなす」に對し...
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以下略
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| | 形容詞 | ラ変動詞 | ベし | まじ | まほし | たり |...
| 宣命| | 1| 1| | | | | | | | | | | | | | | | 1| | |
| 祝詞| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| 竹取| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| 伊勢| 2| | | | | 1| | 5| 1| | | | | | | | | | | | 1|
| 土佐| 1| | | | | 1| 2| | | | | | | | | | | | | | |
| 大和| 4| 2| | | | 4| 5| 8| 1| | | | | | | 1| | | | | |
| 源氏| 59| 36| 6| 2| 2| 109| 63| 7| 36| | 16| 4| 2| 1| 1...
| 今昔| 56| 61| 5| | | 107| 113| 129| 12| 3| | 9| | 5| 2|...
| 宇治| 16| 18| 2| | | 37| 35| 31| 1| | | 5| | | | | | 5|...
| 著聞| 9| 3| | | | 23| 12| 35| 2| | | | | 2| | | | | 1| ...
| 愚管| 1| 1| 1| 1| | 1| 7| 16| | | | 5| | | 3| | 1| 3| 2...
| 保元| 1| | | | 1| 6| 2| 1| | | | | | | | | | | | | |
| 平治| 2| | | | | 5| | 2| | | | 1| | | | | | | 1| | |
| 計 | 115| 122| 15| 3| 3| 294| 239| 234| 53| 3| 16| 24|...
即ち「の」が關係代名詞的に用ゐられる名詞句に於て「の」の...
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さて右の如く名詞句に於ける「の」助詞には異つた二種を識...
右の表は、關係代名詞的の「の」によつて構成される名詞句...
奪靈乃子菰遠流天尋京都仁召上天臣止成无(三四詔)
しろき鳥のはしとあしとあかき、しぎの大きさなる、水の上に...
文時・惟茂が舟の遲れたりし、奈良志津より室津へ來ぬ (土...
此の大徳の親族なりける人の女の内裏に奉らんとてかしづきけ...
友だちの人をうしなへるが許 (伊勢物語)
又準形状性用言の例は、
紙の御几帳の側より仄見ゆるを取りて (源氏横笛)
所領の候を人におしとられて候 (著聞集五)
神ノ御スルガ人ヲ生蟄二食也 (今昔廿六)
女の辨といふを呼び出でて (源氏葵)
王子ノ四ニナラセ給ヲ踐祚シテ (愚管抄六)
兄弟などにはあらぬ人の、氣近く言ひ通ひて事に觸れつ二自ら...
猶、室町時代に入ると、國語の活用語は大體終止形連體形の...
以上により、嚮の(1)の「の」、即ち關係代名詞的の「の」に...
嫡腹の限りなくと思すは、はかみ丶しうも得あらぬに (源...
物怪の現れ出で來るも無きに (同柏木)
京の家の限りなくと磨くも、え斯うはあらぬやと覺ゆ (同...
山人ノ行キ通ズル、五人有ケリ (今昔五)
大ル童ノ本ヨリ仕ル有リ (同十二)
女ノ清水二彊二參ル有ケリ (同十六)
僧 共ノ相知ル、有テ (同十七)
圓ナル物ノ光ル有ケリ (同二十七)
武者ノ通ル有ケリ (同二十九)
節會の袍とてほのろ丶とある物の人にかすなどが有けるを...
妻のいと物ねたみする有けり (同十六)
嬋の露をのまんとするあり (同二十)
たよりなかりける女の清水にあながちにまいる、ありけり...
入たるもののかへりゆくなし (同十一)
唐人の雫いみじくをくありけり (同十四)
之等の例を通覽する時は,自ら一の共遘な現象に氣附かざるを得...
嚮の表に於ける「其の他」の中から、右の如き例を除き去る...
(1) 人のむすめのかしつく、いかでこのおとこに物いはんと...
働 受領どもの面白き家造り好むが、この宮の木立を心に附...
㈲ 夜光ル玉ノ目出タク明ク照スヲ持テ (今昔十)
㈲ 船ノ行クガ、島隱レ爲ルヲ (同二十四)
㈲ 女ノ形チ美ト聞クヲバ、宮仕人ヲモ人ノ娘ヲモ見殘ス无...
暁ハシ
㈹す父めのおどりありくを、石をとりてもしやとてうてば (...
Gり このとらの人くふを、やすく射ん (同十二)
の七例のみとなつて了ふ。而も㈲の「が」を接續助詞と見、⑥の...
故に今、關係代名詞的「の」助詞によつて構成される名詞句...
形状性名詞句が形状性用言のみを要求することは上來考察し...
(1) 友の遠方より訪れたるを喜ぶ。
(2) 友の遠方より訪れたるをもてなす。
に於て傍線の部分は(1)は作用性名詞句、(2)は形状性名詞句で...
さて、名詞句に形状性のものと作用性のものと二種が存する...
故に、上來考察し來つた處を要約すると次の如くになるので...
すべての名詞句は形状性名詞句と作用性名詞句の二種に分れる...
三 形状性複文と作用性複文
前節に於て、形状性名詞句は必ず形状性用言のみを有する事...
名詞句鳶用言(・は助詞を伴はぬ印)
の二つだけである。而して此の名詞句が、前節で看た樣に形状...
宍三四、衣手に水澁つくまで植ゑし田を引板吾が延へ守れる...
二五天、吾妹子し吾を邊ると白細布の袖漬づまでに哭きし念...
晃三、いつまでに生かむ命ぞ凡は戀ひつつあらずは死なむ勝...
之等は皆作用性名詞句を主部とする複文であり波線は名詞句の...
三四四九、しろたへの衣の袖を眞久良我よ海人榜ぎ來見ゆ(許...
の如く、終止形の用言より成る特殊の作用性名詞句をもつ複文...
一究、あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隱ら...
の如き、所謂ク語法による特殊な形が相當頻繁に用ゐられてゐ...
(1) 形容詞の終止形に、助詞「も」又は接辭「み」の副つた...
(2) 形容詞の連體形
㈹ 形容詞の連用形
の如く形容詞のみであり、僅かに
一六〇九、宇陀の野の秋萩凌ぎ鳴く鹿も、妻に戀ふらく我に...
二9三、相見らく飽き足らねども(相見久厭雖不足)いなのめの...
の二例のみが動詞であるが、之等も「じ」「ず」の兩助動詞共...
かくの如く、萬葉集に在つては作用性名詞句を主部とする複...
表略
上の表の如く、すべて形状性用言のみである事を實證し得る...
手叩けば山彦の答ふる、いと煩はし (源氏夕顔)
筆の行く、限りありて (源氏繪合)
コノ宴ヲオコサル丶、然ルベシ (愚管抄六)
目はなにいる、たへがたし (宇治拾遺十一)
一ノ牛ヲ殺シテ其ノ報ヲ受ケム、併如レ此シ (今昔
二)
汝ヂ出家ノ人香油ヲ身二塗ル、糞ヲ塗ルニ似タリ (今昔二)
斯く迎ふるを翁は泣き歎く、能はぬ事なり (竹取)
其女、カノ強キ、入ノ力百人ニ當リケリ(今昔廿三)
われきのふ物語せんと思ひしに我を見ざりし、ほいをそむ...
壹演召二隨テ參テ大臣ノ御枕上ニシテ金剛般若經ヲ讀誦ス...
現二人ヲ馬二打成ケル、更ニ不二心得一ズ (今昔卅一)
下人も數多く頼もしげなる氣色にて橋より今渡り來る、見...
此禪師ヲ取テ打出ントシケル、又聞ヘテ (愚管抄六)
生きたらじと思ひ沈み給へる、理と覺ゆれば (源氏玉鬘)
右によつて作用性名詞句を主部とする複文の用言が必ず形状...
わがきぬはがんとしつる男のにはかにうせぬ惹があやしけ...
水のなきが大事なれば (同七)
もトヨシきノ
さばかり語らひつるが流石に覺えて (竹取)
以上考察し來つた所を要すれば、作用性名詞句を主部とする...
作用性名詞句{む形状性用言。
となるのである。
之に反して、主部が形状性名詞句の場合は
ある人の子の童なる、ひそかにいふ (土佐)
新院ノ御ヲモイ人ノ烏丸殿トテアリシ、イマダ生タリケレ...
女のまだ世へずとおぼえたるが入の御もとにしのびて (伊...
香の御・唐櫃に入れたりけるがいと懷かしく香りたるを (...
の如く、助詞を件はぬ形式も「が」に依る形式も共に複文の述...
形状性名詞句{㌍すべての用言。
となるのである。
前節で述べた樣に、作用性名詞句は「事」といふ體言の資格...
友の遠方より訪れたる(事)が嬉しきなり。
友の遠方より訪れたる(者)が戸口にて呼ぶ。
の如くになり、隨つて、作用性名詞句を主部とする複文の述語...
作用性複文の述語は如何なる用言をも採り得るが、形状性複...
四 作用性用言反撥の法則
以上論じ來つた處を整理すると次の如くになる。
第一則
國語に於ける總ての活用語は、終止形がイの韻に終るものと...
第二則
すべての名詞句は、事物の屬性を作用的な相に於て述定する...
第三則
名詞句を主部とする總ての複文は、主部の屬性を作用的な相...
今第二則を圖示するに、係助詞共他によるものを姑く措き、格...
(1) 作用性名詞句の構造
吻}輪鞴詬
(2) 一般形状性名詞句の構造
吻}形状性用言
㈹特殊形状性名詞句の構造
輌作用性用言守歌性里一目
次に第三則を圖示すれば、
㈲ 作用性複文の構造
㈲
形状性霾轟轜詬
形状性複文の構造
作用性名詞⊥が}形籍言
故に(1)を㈲に代入し、(2)を㈲に代入する事によつて次の如き...
(甲)
(乙)
(丙)
脚纛難}コ形奮一高
胸}形状性用言{髴齷嬰冖
胸}作用性用言コ形篶昌一肖
右に於て (乙)(丙)は作用性...
形式として認められてゐる「の」助詞による形式・「が」助詞...
の異つた複文形式が可能である事になる。而も之等の三十形式...
第四則
名詞句を主部とする總ての複文に於て、名詞句の用言か複文...
右の原則を私は假に「作用性用言反撥の法則」と命名しようと...
「の」助詞と「が」助詞との組合せの形式について、源氏物...
(イ) 「の」が作用性名詞句を構成し「が」の續く語のみ形...
この君のいたくまめだち過して常にもどき給ふが妬きを (...
(ロ) 一の」が作用性名詞句を構域し「が」の續く語も承け...
年頃に習ひ侍りにける宮仕の今はとて絶え侍らむが心細き...
(ハ) 「の」が形状性名詞句を構成し「が」の承ける語のみ...
よからぬ狐などいふなる物の諮れたるが亡き人の面伏なる...
(二) 「の」が形状性名詞句を構咸し「が」の承ける語も續...
雲の薄く渡れるが鈍色なるを (薄雲)
(ホ) 「の」が形状性名詞句を構成し「が」の續く語のみ形...
こよなく衰へたる宮仕人などの巖の中尋ぬるが落ち留れる...
右の如く五種類に限るのである。「が」の承ける語も續く語も...
子供の群がるが騷ぐ
と云ふが如き形式は、國語に於て一の複文を成立せしめる事が...
子供の群がるが騒がし
の如く「が」の續く語を形状性用言として、作用性名詞句を主...
子供の群がれるが騷ぐ
の如く「が」の承ける語を形状性用言として、形状性名詞句を...
室町時代以後ラ變活用の消滅によつて、形状性用言・作用性...
滝艦の進むのは立派だ、タンクの走るのは凄い
戸軍艦の立派なのが溜制 尸タンクの劇凶のが翻
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| | 形容詞 | ラ変動詞 | ベし | かたし | ごとし | たり...
| 竹取| | | | | | | 1| | | | | | | |
| 伊勢| | | | | | | | | | | | | | |
| 土佐| | | | | | | | | | | | | | |
| 大和| 2| | | | | | 3| | | ...
| 源氏| 71| 9| | | | | 63| | | |...
| 今昔| 22| 16| 1| | 2| 2| 92| 1| | 1| 1|...
| 宇治| 10| 1| | 1| | | 10| | | ...
| 著聞| 31| 4| 3| | 1| | 71| | 1| | ...
| 愚管| 5| | 1| | | | 4| | | ...
| 保元| | 1| | | | | 2| | | ...
| 平治| | | | | | | 1 | | ...
| 計 | 141| 31| 5| 1| 3| 3| 247| 1| 1| 1|...
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右の如き關係を見得るのである。故に作用性用言反撥の法則は...
離屋翁鈴木朖大人の用言分類に於ける方法は、右の如く國語...
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