#author("2020-05-08T22:47:10+09:00","default:kuzan","kuzan") 昭和50年3月25日 初版発行 [[學生社]]シンポジウム日本語 出席者 森岡健二〈司会〉 柴田武〈司会〉 山田俊雄 樺島忠夫 野村雅昭 >> 第一章 言葉と文字・音韻 〈報告〉 柴田武 一 文字論は日本語研究においてこそ開発すべきユニークな分野 欧米における文字研究 日本人の文字観と文字の特質 日本人はなぜ文字に関心をもつか 文字に開する種々の用語 国語学における文字論の領域 二 言語における文字の位置をどう考えるか 文字観の対立 A山田孝雄とB西洋言語学 図解をめぐって 〈クイズa> xや〓は文字か 〈クイズb> 鯢は文字か 〈クイズc> 読めない漢字 文字と音と意味の関係 〈クイズd> どぜう・ぢ・シウマイ C図の検討 文字は言語の一部か、言語の外にある記号か 文字の示差性とは何か 三 ことばの変化と文字の変化 漢字によることばの変化 文字による語形の変化 略語と外米語 ホホ、ハハの発音と文字 文字の入れ替えによって語は変化するかしないか 文字表記の揺れは語形の揺れより大きい 四 正書法の安定と不安定 日本における正書法の不安定な安定 正書法についての日本人の意識 残された問題 第二章 文字の研究 〈報告〉山田俊雄 一 従前の文字研究の到達点 これまでの文字研究の概観 かなの起源とかなづかいの研究 江戸期の漢学者の業績 中国語彙の受け入れと 世話字風の漢語と分解式の漢語 辞書の歴史でなく日本における漢字の歴史を 二 文字研究の体質と特徴 文字体系――組織としての研究の欠如 かなづかい研究の特質 上代特殊仮名遣いは果たしてかなづかいか 文字組織の研究 ――体系的研究とは―― 表記体系の記述と表記意識 方法論にかかわる種々の問題 三 将来の問題 文字研究の着眼点――種々の問題の発見 一つの文章あるいは文章ジャンルの含む文字量 文字の解読 異体字と別字 ――同じ字か違った字か―― 使用語藁と使用文字 文字教育の問題 第三章 かなと漢字の機能《報告〉野村雅昭 一 表意・表音という分類は文字の機能を説明するのに有効か 表音機能と表意機能 表音性・表意性の強弱とバランス 表音文字と表意文字の根本的な差は何か 純粋な表意文字というのは存在するか 漢字の表意性、表音性の特質 文字列の構造 二 漢字はどのような言語単位と対応するか 漢字の音と訓の関係 音訓対応の意識 音訓の歴史と辞書に見える音訓 辞書に登録した漢字とその読みの特質 訓の固定と万葉がな 現代の音訓意識 現代人における和語・漢語の意識 三 字音語の表記と和語の表記 字音語の漢字表記に対し、和語のかな表記がふえる傾向 かな表記の生じる契機 かな表記のゲシュタルト 分かち書きの問題 漢字の意味分化からかたかな表記の問題へ 表記のスタイルと文体 現代語表記の一つの傾向 四 かなは語のまとまりを示すのにどのような役割を果たすか 語のまとまりを示すかなの事例 かなにおける表語機能と新旧かなづかい 現代かなづかいの問題点 かなづかいと発音のずれ 漢語のかな表記の場台 第四章 日本語の表記体系 〈報告〉樺島忠夫 文字体系と表記体系 体系把握の方法 "あらさ""複雑"という用語について 文字体系はどのようにしてきまってくるか ルールは異なった文掌・体系にもあてはまるか 文字体系のあらさと語や文への分割の自由度 表記要素という概念 表記要素の切れ目と語の切れ目 文字列と音列は意味を媒介として対応するということ 文字列と音列との対応に対し、意味はどんな関係にあるか 今後の問題 再び「言語にとって文字はいかなる位置にあるか」 あとがき 索引 <<