#author("2024-04-25T15:41:05+09:00","default:kuzan","kuzan")
[[中村隆資]]
『文学界』51巻2号(1997.2)

 判官殿は少し反っ歯の歯を剥いて、馴れた[[京言葉]]でやんわりと、萌黄縅の「与一」に命じねばならない。
 「どうや、宗高? 彼の扇の真ん中を射て、平家の奴らに見物させてやらんか?」
 緋縅の「与一」には同じ[[京言葉]]でも厳然と命じねばならない。

お命じ下せえ」と、[[だん可言葉>だんべえ言葉]]で深く言い切らねばならない。

半身の口を開いて[[下野訛り]]でお答えせねばならない。


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