#author("2020-08-07T10:16:48+09:00","default:kuzan","kuzan") 山口仲美 二〇〇七年七月三〇日 第一刷発行 講談社 >> プロローグ この本の目的 若者言葉は批判の的 若者言葉への関心 I 若者はこんな言葉を使っている(座談会) フツーにすごい <!--普通に--> 渋滞グロい 今日の顔マジない あないみじ もれそう 妄想族 ウサギ病 とりま ガン見とチラ見 口元思春期 II 若者言葉の特色と目的(解説) 座談会だからこそ アンケート調査 地域差のある若者言葉 東京は省略化が激しい 心の状態を表す言葉も違う 1コッケイロン(省略語) 座談会に出た省略語 コッケイロンは何の略? マックとマクド ネココタ・コビる ドンマイが生きていた チョコレートパフェを省略すると ラケバ・タモステ あざーす・いってらー クリパ・ウンチ なぜ省略語を使うのか? 2 メッチャ(強調語) ギザかわゆす チョーチョーは虫の息 メッチャ楽しい マジむかつく すごいおいしい えらい忙しい やばい寒い くそ・むなくそ・おに 何を伝えたいのか? 3 チーン(擬音語・擬態語) がたがた・ぐにゃりは、こう使う 音を表すことも 物の状態や人の様子を表すことも チーンは気持ち 「たらーん」も気持ち 半数が気持ちの表現 コミックの擬音語・擬態語 コミック的表現方法 沈黙を恐れる若者たち 4 おほとのこもる(古語) 若者の八割は古語を使う 使い方がずれる 意味もずれる 「いと」を頻用 「をかし」が大人気 「あな、かまっ」と注意する 古典文学作品と比較する 言はずもがな・行かぬ・CDをば 「ませう」「けふ」はそのまま発音する 5 なんでやねん(方言) 方言が若者言葉に 若者言葉にならなかった方言 なんと言っても関西弁 東京近県の方言も人気 さまざまな方言 なぜ方言を使うのか? 6 わけわかめ意味とろろ(語呂合わせ) あたりめーめーやぎめーめ1 あたりまえだのクラッカー わけわかめ意味とろろ ラッキークッキーもんじゃやき1 語呂合わせしたい言葉は? 評価の言葉を語呂合わせする 返事・問いかけ・挨拶も語呂合わせで 7 お便器でねー(トイレ表現) トイレが変身!佃 「化粧室に行く」か「もれそう」か 異性がいると場所で表す 「トイレに行く」が一般的 男は「2番」、女は「お花畑」 「お便器でねー」 8 行く系?行かない系?(接辞) パワー系 いらない系 行く系? 行かない系? 私的・キティラー・甘えニスト・レタス派 文句垂れ雄・体よわ子 がんばリング・買い物したいイメージ やる気なさ気・無理ポ なぜ接辞をつけるのか? 9 洋梨(掛詞・比喩・外来語・絵文字) 掛詞「哲也」 「むげなり」は何と掛ける? 「洋梨」は何と掛ける? 比喩「脳内花畑」 外来語「チキン」 符号・絵文字・顔文字 10 なぜ若者言葉を使うのか 仲間意識を持ちたい 気持ちを伝えたい 感覚的に隻たい 遊びたい 笑いを取りたい かっこよくいきたい 傷つきたくない 11 今どきの若者言葉の特色 歴史の流れの中においてみると 今どきらしい言葉のつまった項目 特色項目の重みが違う 擬音語・擬態語 古語と方言 突如浮上してくる古い言葉 III こんな言葉をはやらせたい 1 ビゲチョ(座談会) ビゲチョ(アルファベット読み・ローマ字読み) まろは○○でごじゃる(古語) マジぱーねー(方言) ピンクい(形容詞化) ありらうん(感謝の言葉) いたまーす(挨拶) 「空気を読んで」を仕草で 眉毛全部剃れちゃえばいい(ソフトな表現) いるぎた(暗号文) ツン族・ツン子(擬態語) 2 空気読めよ(解説) 若者たちの気に入り言葉 マジKYだよ IV 若者たちの自省 1 もう死んじゃえばいいのにー(座談会) ~じゃないですか ぶっちゃけ・ゲロ ファック・シツト なんか・つかさー もう死んじゃえばいいのに1 うつ・身障 気持ちわりー・~きちがい 感謝なのに「ごめんなさい」 「ら」抜き言葉 異性の使う若者言葉 2 分かるだろうは甘えの気持ち(解説) どんなことを反省していたか 言葉の暴力はなぜ起こる? 説明する訓練を V 中高年は若者言葉をこう見ている(座談会) 1 「ハーイ」にたじろぐ 拒絶感を感じる言葉遣いに 相槌を強要される話し方に 曖昧な表現、未完成な文に 地方のアクセント丸出しの話し方に 楽屋言葉の真似に 男女の言葉が同じなのは、どうも 一九八○年代が若者言葉の全盛 センスある面白い言葉を創れ 敬語はやっぱり使わないと 心からの敬語を 2 なぜ、そんな言い方をするの?(解説) 年代によって不快感は異なる 年配者の若者言葉への不満 女の子が男言葉を使うと 敬語の使い方に 曖昧な表現をしたら 文脈に合わない言葉に 方言を使ったら 返事の仕方に 若者言葉特有の意味と発音に 相手を傷つける言葉に VI 実は中高年も若いときは 1 いかす(座談会) 「いかす」を動作で示して あだ名全盛期 「ら」抜きもしていた やっぱり省略語を使った おもこ辞典を楽しんだ 美しい日本語で粋がる ラジカルで粋がった 若者言葉をまねるのは格好悪い 2 現代に連なる若者言葉は?(解説) 戦後から現在までを概観すると ゲバる・オルグる ──学生運動用語── ホワイトキック・話がピーマン ──現代若者言葉の出現── おいおい・ルンルン ──現代若者言葉の繁栄── アッシー君・みつぐ君 ──ボーダーレス化の進展── けいたッキー・ネット弁慶 ──携帯電話・ネット関係用語── VII 若者が憧れる中高年の言葉 1 その手は桑名の(座談会) エレガントな昔の言葉 なかなかうまい断り文句 粋な言葉遊び 癒しの言葉 きちんとした言葉 やわらかい響きの言葉 出来る大人の言葉 2 おほつごもり(解説) 中高年の言葉も若者に聞かれている 「ごめんくださいませ」は一番人気 「おおつごもり」は温かい7 エピローグ この本が出来るきっかけ 一味違った本を目指して 参考文献 >> 単行本 *出版社名の記載がないものは、私家版 川崎洋『流行語』毎日新聞社、一九八一年 森岡健二・山口仲美『命名の言語学――ネーミングの諸相――』東海大学出版会、一九八五年 都染直也編『甲南大学キャンパスことば辞典』一九九二年 小矢野哲夫編『日本語言うたろカード――大学1年生が観察した日本語の世界――』一九九三年 米川明彦編『すきやねん 若者語辞典 梅花女子大生のことば』一九九三年 高山勉編『キャンパス用語集 1993年第3版』一九九三年 小矢野哲夫編『女子大生用語の基礎知識 1993年版』一九九三年 小矢野哲夫編『外大語辞典――大阪外国語大学学生用語集 1994年版――』一九九四年 塩田丸男『死語読本』白水社、一九九四年 米川明彦編『女子大生からみた老人語辞典』文理閣、一九九五年 米川明彦『現代若者ことば考』丸善株式会社、一九九六年 陣内正敬『北部九州における方言新語研究』九州大学出版会、一九九六年 山口仲美『山口仲美の言葉の探検』小学館、一九九七年 米川明彦『若者ことば辞典』東京堂出版、一九九七年 加藤主税編著『世紀末死語事典』中央公論社、一九九七年 早稲田大学文学部国語学研究班編『早稲田大学キャンパス言葉辞典』一九九七年 井上史雄『日本語ウォッチング』岩波書店、一九九八年 米川明彦『若者語を科学する』明治書院、一九九八年 馬瀬良雄・中東靖恵・小西優香共編『首都圏女子大生のキャンパスことば――横浜・フェリス女学院大学1998――』長野・言語文化研究会、一九九八年 小矢野哲夫『ワードウオッチング――現代語のフロッピィ』一九九九年 永瀬治郎編『専修大学キャンパス言葉事典 第5版』二〇〇〇年 米川明彦編『集団語辞典』東京堂出版、二〇〇〇年 米川明彦編『業界用語辞典』東京堂出版、二〇〇一年 美しい日本語について語る会編『美しい日本語のすすめ』財務省印刷局、二〇〇二年 米川明彦編著『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』三省堂、二〇〇二年 窪薗晴夫『新語はこうして作られる』岩波書店、二〇〇二年 亀井肇『若者言葉事典』日本放送出版協会、二〇〇三年 米川明彦編『日本俗語大辞典』東京堂出版、二〇〇三年 北原保雄編『問題な日本語――どこがおかしい? 何がおかしい?――』大修館書店、二〇〇四年 加藤主税編著『若者言葉事典』中部日本教育文化会、二〇〇五年 本田透『萌える男』筑摩書房、二〇〇五年 かわいい方言で日本を幸せにする会編『ちかっぱめんこい方言練習帳!』主婦と生活社、二〇〇五年 齋藤一夫『子どもたちに残したい日本語』冬青社、二〇〇六年 柳川圭子著・しのざきこういち監修『日本語でなまらナイト』小学館、二〇〇六年 北原保雄監修・「もっと明鏡」委員会編『みんなで国語辞典!ーこれも、日本語1』大修館書店、二〇〇六年 井上史雄『変わる方言動く標準語』筑摩書房、二〇〇七年 論文など 堀内克明「若者用語の解説」(『現代用語の基礎知識1980』~『現代用語の基礎知識2002』自由国民社) 堀内克明・山西治男「若者用語の解説」(『現代用語の基礎知識2003』~『現代用語の基礎知識2004』自由国民社) 堀内克明・山西治男「若者のことばの解説」(『現代用語の基礎知識2005』~『現代用語の基礎知識2007』自由国民社) 米川明彦「近代語彙考証別品とシャン」(『日本語学』2巻12号、一九八三年一二月) 増井典夫「形容詞終止連体形の副詞的用法――「えらい」「おそろしい」を中心に――」(『国語学研究』27号、一九八七年一二月) 永瀬治郎「キャンパスことば全国分布図」(1)~(12)(『月刊言語』23巻5号~24巻4号、一九九四年五月~一九九五年四月) 米川明彦「若者語の世界1」~「若者語の世界14」(『日本語学』13巻12号~14巻13号、一九九四年二月~一九九五年一二月) 永瀬治郎・岡隆・池田理恵子「集団語の知識・使用と言語意識・パーソナリティの関連について」(『専修国文』56号、一九九五年一月) 佐竹秀雄「女子大生と若者ことば」(『武庫川女子大学言語文化研究所年報』6号、一九九五年一二月) 吉岡泰夫「若者の方言志向」(小林隆・篠崎晃一・大西拓一郎編『方言の現在』明治書院、一九九六年) 永瀬治郎「語の盛衰――キャンパス言葉の寿命――」(『日本語学』18巻10号、一九九九年九月) 永瀬治郎「『若者言葉』の方言学」(日本方言研究会編『21世紀の方言学』国書刊行会、二〇〇二年) 山口仲美「コミック世界の擬音語・擬態語」(築島裕博士傘寿記念会編『築島裕博士傘寿記念 国語学論集』汲古書院、二〇〇五年) 三宅和子「携帯メールに現れる方言――『親しさ志向』をキーワードに――」(『日本語学』25巻-号、二〇〇六年一月) 永瀬治郎「若者ことば全国分布図――二〇〇五年調査の意味するところ」(『月刊言語』35巻3号、二〇〇六年三月) 吉岡泰夫「方言が若者ことばを活性化する」(『月刊言語』35巻3号、二〇〇六年三月) 窪薗晴夫「若者ことばの言語構造」(『月刊言語』35巻3号、二〇〇六年三月) 井上逸兵「ネット社会の若者ことば」(『月刊言語』35巻3号、二〇〇六年三月) << <<