#author("2023-06-23T21:39:56+09:00","default:kuzan","kuzan") 新潮日本文学大辞典 小寺融吉 <!--念佛踊㎜舵膠舞踊【別名】漏念佛」 【名稱】佛徳を讃美して、歓喜のあまり踊躍す る義である。【種類】磐や鑑を鳴らす一遍上 人の遊行派と、瓢箪を叩く空也上人の鉢叩き 派とがある。又「なむあみだンぷ」と唱へる念 佛踊を彌陀念佛といひ、「なむ釋迦牟尼佛」と 唱へるりを糧迦念佛といふ0【起原】 一遍上 人の念佛踊の如きは、悌徳に漱喜踊躍する所 から起つたといふ説もあるが、又布教の方便 として、熱情的・盲目的信仰心の刺戟のため、 各種の踊躍念佛が發達したといふ事も考へら れる。別にこの原始的舞踊は、大群衆が足拍 子をして叫ぶので、日本古來の厄佛ひと關係 を見出さうとする解釋もある。【沿革】前述 ---------------------[End of Page 42]--------------------- の両派は古來相謝して諸国に遍圧し、佛教り 普及に大なるカを致したのであるが、現在は 有るか無きかに寂れてしまった。但し或は盆 踊或は雨乞踊(各別項)等に行はれることによ ってのみ今日も各地に残存してみる。いかに 深く民間に入ったかを讃明するものがある。 【影響】我が佛教関係の各種の歌舞の中で、念 佛踊は最も通俗的であり、且つ教化の上に最 も大なる使命を果したものである。而して佛 教關係の原始的宗教劇の中には、古の菩薩練 道の系統のものがあると共に、これに基づく ものもある如く思はれる。近世初頭、出雲の お國別項)は、念佛踊に歌を交へて踊ったが、 これを出雲のお國が念佛踊を踊ったと不用意 にいふ人があるが、それは間違つた言ひ方で ある。(空也念佛・題目踊憂照) 〔小寺〕 --> ([[空也念仏]]・題目踊参照)