新潮日本文学大辞典 小寺融吉

!--念佛踊㎜舵膠舞踊【別名】漏念佛」
【名稱】佛徳を讃美して、歓喜のあまり踊躍す
る義である。【種類】磐や鑑を鳴らす一遍上
人の遊行派と、瓢箪を叩く空也上人の鉢叩き
派とがある。又「なむあみだンぷ」と唱へる念
佛踊を彌陀念佛といひ、「なむ釋迦牟尼佛」と
唱へるりを糧迦念佛といふ0【起原】 一遍上
人の念佛踊の如きは、悌徳に漱喜踊躍する所
から起つたといふ説もあるが、又布教の方便
として、熱情的・盲目的信仰心の刺戟のため、
各種の踊躍念佛が發達したといふ事も考へら
れる。別にこの原始的舞踊は、大群衆が足拍
子をして叫ぶので、日本古來の厄佛ひと關係
を見出さうとする解釋もある。【沿革】前述


の両派は古來相謝して諸国に遍圧し、佛教り
普及に大なるカを致したのであるが、現在は
有るか無きかに寂れてしまった。但し或は盆
踊或は雨乞踊(各別項)等に行はれることによ
ってのみ今日も各地に残存してみる。いかに
深く民間に入ったかを讃明するものがある。
【影響】我が佛教関係の各種の歌舞の中で、念
佛踊は最も通俗的であり、且つ教化の上に最
も大なる使命を果したものである。而して佛
教關係の原始的宗教劇の中には、古の菩薩練
道の系統のものがあると共に、これに基づく
ものもある如く思はれる。近世初頭、出雲の
お國別項)は、念佛踊に歌を交へて踊ったが、
これを出雲のお國が念佛踊を踊ったと不用意
にいふ人があるが、それは間違つた言ひ方で
ある。(空也念佛・題目踊憂照)     〔小寺〕


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Last-modified: 2023-06-23 (金) 21:39:56