#author("2024-05-11T17:13:53+09:00","default:kuzan","kuzan") #author("2024-06-26T08:16:14+09:00","default:kuzan","kuzan") [[横溝正史]] 小説 獄門島にたった一軒しかない床屋の親方の清公は、横浜に長くいたというだけあって、[[江戸弁]]が自慢らしかった。しかし、その江戸弁たるや、金田一耕助の[[東京弁]]同様、はなはだ怪しげなもので、多分にスフが入っている。 [[舌たらず]]の[[標準語]]も、いかにもしゃべりにくそうで気の毒だった。 俳人特有のひねった文字は、さながら、五月雨の泥をのたくるみみずの跡のごとく、尾頭定かならずで、いっこうちんぷんかんぷんである。