#author("2020-08-18T01:13:55+09:00","default:kuzan","kuzan") 田辺聖子 小説 関西弁会話 神戸 文春文庫 p.24 「歯切れのいい東京弁」 >> 海野さんは戦災に遭うまで大阪で育った人なので、大阪弁である。コーベ弁には「はる」という敬語がないので、五十ちかい中年男の海野さんが、 「……思てはる」 「……言いはる」 などというと、モッチャリと、からみつくような、やさしい色気が感じられる。コーベ弁はもっと粗放でからっとしているので、海野さんの大阪弁はことさら耳につく。 しかしそれは、不快なものではない。 p.68 << p.103 「東京弁大阪弁、ごたまぜ、アクセントもどこのものとも分らない言葉である。」 p.158 「私は思わず、婦人の囗ぐせがうつって、上品な東京弁になってしまう。」 p.238 「来てくれとってやったん?」 p.392 >> 「話ですワ……」の「ワ」がいい。気弱なひびきが正直に出てる。東京の人は、 「関西弁というのは、男も女言葉を使うんですね」 と驚くが、関東弁では、女が男の言葉を使うではないか。関西で、男のつかうそれは、女コトバとちょいと違っていて、「語尾」に男っぽい表情がある。 <<