#author("2021-02-15T11:35:32+09:00","default:kuzan","kuzan")
見返し
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世に韻鏡の書、多しといへども、其伝受なくしては反切の法を得がたし。夫反切、名乗字の吉凶を考を緊用とす。此書は其伝受なき人にても五性の相生に就て、父字母字を定め、韻図を用ひず、即其帰納を得ることを発明す。誠に不学して其要を知と云べし
韻鏡反切/名乗即鑑
浪華書肆 柳原積玉圃藏
(原文カタカナ)
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名乗即鑑叙 東海(([[三澤諄治郎『韻鏡諸本 並関係書目』]]190では、[[寺尾東海]]とする。))識
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名乘即鑒敍
古者無考五性反名諱之例自 神祖御天下署有其職其法以韻鏡及切韻指掌切韻指南考之然非能知文字者無得其標的矣此書也雖不尽天下文字其捷徑無尚之因号名乗即鑑余応書肆之需且為[[玄晏先生]] 東海識

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題名乗即鑑 東山力之光公暉
//余過書肆一閲所売名乗即鑑者三嘆其人
//異之曰先生有為之五行而試歟将有稽于典
//籍歟余曰否直嘆為父母者無所不至然而當
//有説焉@父母之慮之遠設使為民父母者不為
//父母于民其躬墜塗炭不暇@念後@実以
//取@蓋
//昭代之仁政顧復民無所不至迺民慈愛忠孝
//有傚而日就月至庶幾乎比@可封於是百@父
//母慮濟美無所不至挙謂于西于東@@既土我
//璞或瑕不可方此初生命名之日擇義古与今
//多端有苟曰吉有悦而不射有苟曰凶如探湯無佗我
//得所之餘策吁此書瑣々猶且家戸而行誠取于
//俾子多福盛哉時一物不見棄其可以観@厚之風
//爾若夫五行生克諸論有人明辨余不必贅以之云
天明五年己巳之冬          東山力之光公暉

//題名乗即鑑
//余、書肆に過り、売る所の「名乗即鑑」なる者を一閲して三嘆す。
//其の人、之を異んで曰ふ、「先生之が五行の為、試すこと有るか。将た典籍に稽有るか」と。余//が曰く、「否。直々、父母たる者、至るざる所無きを嘆ず。然り而ども、當に説有るべし。@れ父母の慮の遠きも設し、民の父母たる者をして民に父母たらざらしむ。其の躬、塗炭に墜ち、後を@念するに暇あらず。実を以て@に取ん。
//蓋し昭代の仁政、民を顧復し至らざる所なし。迺ち民慈愛忠孝、傚ふこと有て日々に就き月々に至る。比@封ずべきに庶幾し、是において百@父母濟美を慮る。至らざる所なく挙げ謂へらく「西に東に@@既に土づ我が璞、瑕或らば不可、此初生命名之日に方て、義を古と今と擇ぶことも、多端苟くも吉と曰ふ有れば悦んで射わず。苟くも凶と曰ふ有れば湯を探るが如くす。佗無く我、所を得るの餘策なり。吁、此の書は瑣々猶且家戸にして行る、誠に子をして多福ならしむに取れり。盛なるかな、時や一物も棄てられず。其れ以て@厚の風を観るべきのみ。若し夫れ五行生克の諸論は人有て明辨す。
//余は必ずしも贅するに之を以てせずと云
//天明五年己巳之冬          東山力之光公暉

韻鏡反切名乗即鑑凡例
>http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2543208/4>
一 韻学の 本朝に講ずること、名諱を反切して其帰納の吉凶を考ふるを急務とす。此 本朝の故実にして、其の師伝無くしては容易に其法を得べからず。其法猥りに伝ふべきにあらざれども、名諱は人々の慎むべきことなるを以て、今韻鏡を知らざる人も即其法を暁るの捷徑を発明して、蒙士に授く。
其例左に挙ぐるが如し
一 名を命るは、父字を上とし、母字を下として、其帰納字の吉凶に就て定むることなり。其法は。此書。父字とある内の一字と。母字とある内の一字とを合はせて反切するなり。たとへば、公(父字)風(母字)の返し弓(子)の字。公隆の反も。貢雄の反も弓の字なり。餘はこれに准じて知るべし
一 


一 反切の法数例ありといへども名諱には音和を用るを正法とす、故に此書に出す所の反切は、四同音和 三同音和 異位音和に歸する字を撰び、間憑切をも用ふ。其類隔往来等の変例は悉除て取らず

一 歸納の字は、古來気形器財の類を吉とすること故實也。気形とは牛兎雉等の字。器財とは弓琴臼等の字を云ふ。其餘、草木衣食の字をも用ふべし 但 鬼鳳龜虎龍等の字は平人の歸納字には用捨あるべきことなり
一 此書毎條見渓群疑等の字を附するは、各生ずる所の字母をしるせるなり。字母三十六字は一切の字音を総括して、韻鏡の図の起る所なるを以て此に附すること、原を尚へるなり。三十六字母とは、見渓群疑、端透定泥、知徹澄嬢、幇滂並明、非敷奉微、精清従心邪、照穿牀審禅、影暁匣喩、来、日を云なり。此書載する所、父字の数九百八十三字 母字の数九百四十一字、これを互に用る時は、凡そ九萬二千五百((983*941=925003 一桁少ない。))の名乗を生ずるなり

 廣瀬幽閑末流 加州金澤 多田秀泂識
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天明六年丙午三月発行
浪華書林 心齋橋北久太郎町
      河内屋喜兵衞


[[韻鏡安見録]]の改題本(安永本の覆刻なるべし)


本文画像(大阪市大森文庫)
http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/mori/706.djvu
(見返しに文字無し)


http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2543208
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/nu05/nu05_00729/index.html

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