田宮虎彦

軍隊とはもちろん場違いな、その聞きなれない「ござんす」という言い方は、私には、めずらしい言葉に聞こえた。[…]私にめずらしく聞こえた「ござんす」という言い方は、若い頃、働いていた飯場が仕事を追って転々としていた間に身についていたのであろう。その言い方には特殊ななまりがあり、その声は、今も、私の耳に聞こえて来るように思える。

沖縄の人々が楽しそうにうたいつづけている沖縄の民謡が、実は日本政府によって行なわれた言語の日本語化政策に対する沖縄の人々の反抗の大衆運動であることなどが、その本*1には書かれていたのである。


*1 「南島考という和綴じの本」

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Last-modified: 2024-05-12 (日) 11:44:25