http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/wa/kaidai_wa011.html

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和訓栞 わくんのしをり 語學書 九十三卷八十二冊
【著者】谷川士清
【刊行】首卷並に卷一から卷十三まで十四冊は安永六年刊。卷十四から卷二十八まで十册は文化二年刊。卷二十九から卷四十五まで十珊は文政十三年刊(以上前編)。卷四十六から卷七十五まで三十册は文久二年刊(以上中編)。卷七十六から卷九十三まで十八册は明治十六年刊(以上後編)。この外に増補訂正して活版に附したものが二種ある(後出)。
【諸本】原本は上記安永六年九月から明治十六年迄に刊行した八十二冊であるが、その刊行は何れも士清の歿後である。初めの十四册は.著者の歿した翌年に刊行されたものであるから、著者の稿のまゝと認められるが、卷十四から卷四十五までは著者の子の士逸及び著者の友賀茂季鷹が増訂したものであり、卷四十六以下も亦後人の手が加はつてゐる。次に明治三十一年に活版で刊行せられた「増補語林和訓栞」(三册)は井上頼圀と小杉榲邨が増補訂正したものであるが、その本文は「和訓栞」の首卷から七十五卷まで(前編と中編)をとり、排列の順序を整理してある。その本文は、伴信友が加筆したものを用ひ(原著者の説とは區別してある)、井上・小杉兩氏の増補は上欄に收めて本文と區別してある。七十六卷以下(後編)は版權の都合で收められなかつたが、その所説は大抵上欄の増補の中に收められてゐる。依つて實用的價値に於ては原書よりも遙に勝ってゐるが、原本とはやゝ趣を異にしたものになつてゐる。なほこの書には「撮攘集」「林逸節用集」「桑家漢語抄」の三古辭書を附録として添へてある。明治三十二年出版の「和訓栞」(三冊)は野村秋足が増補したものであるが、この方は前中後三編とも收められてゐるから、實用的價値に於ては「増補語林和訓栞」に及ばないが、原本の面影を傳へる點に於てはこの方が勝つてゐる。
【内容】國語の辭書で、語を五十音順に排列して解釋を附してある。全部を三編に分ち(前編四十五卷.中編三十卷・下編十八卷)、毎編アからオに至つてゐる (因に本書はオヲの所屬を誤つてゐるから、オは五十音の最後である)。而してその排列は五十音順とは云へ、語の初め二字だけに依つて次第してあるから完全な五十音順ではない。この排列の不備や三編が各々アからオに至ってゐる點等から見て、本書は未定稿であつたかと思はれる。本書所收の語は名詞に限らず各品詞に互り、又古言雅語のみではなく.口語をも多く收めてゐる。なほ本書の冐頭の凡例には音韻・漢字・假名・手爾波等に關する先人の説を集めてゐる。自己の所見と稱すべきものはないが、相當注意すべきものである。
【價値】本書は國語の辭書としては語の排列が不十分であり、語彙語釋に於ても今日から見れば不備誤謬必ずしも少くない。併しながら本書を本書以前の辭書に比較すると、同日に談じ難いほど本書は勝れてゐる。本書以前の國語辭書は.單に和訓を類聚したもの、或は語源を註したもの、或は作歌の參考書として古言雅語を類聚し、これに簡單な解釋を施したものがあつたに過ぎない。然るに本書は前記の如く、廣く語を蒐集して語釋を附したものであり、その語釋も穩健であり、正當であるものが多い。而して組織に於て、國語辭書としての必要條件を具備してはゐないが、大體辭書としての體裁を備へてゐる點に於て、本書は國語の辭書らしい辭書として最初のものと云つてもよく、「雅言集覽」「俚言集覽」(各別項)と共に.江戸時代の國語辭書の代表的なものである。       〔龜田〕

和訓栞 九十三巻八十二冊
 谷川士清著。十三卷迄は安永六年、二十八巻迄は文化二年、四十五巻迄は文政十三年、七十五巻迄は文久二年、九十三巻までは明治十六年に夫々刊行された、後明治三十一年に「増補語林和訓栞」三冊 同三十二年には「和訓栞」三冊がある。三十一年刊本には附録に撮壌集林逸節用集桑家漢語抄がある。本書所收の語は各品詞古言雅語口語に亘りこれを五十音に配列してゐる。今日から見ればその五十音にせよその他缺陥少しとせぬが、廣く語彙を蒐集し語釋も亦穏健で從來の部分的な辭書に比して初めて辭書らしい體裁を備へたものと云ふ可く「雅言集覧」「俚言集覧」と共に徳川時代國語辭書の白眉である。
(亀田次郎「国語学書目解題」)

版本
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2562782

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/862494 後編
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991526

活字

成美堂

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863677
 あ https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/22
  い https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/68
  う https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/101
  え https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/126
  を https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/130
 か https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/140
  き https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/198
  く https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/213
  け https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/238
  こ https://dl.ndl.go.jp/pid/863677/1/245
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863678
 さ https://dl.ndl.go.jp/pid/863678/1/3
 た https://dl.ndl.go.jp/pid/863678/1/103
 な https://dl.ndl.go.jp/pid/863678/1/202
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863679
 は https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/3
 ま https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/98
  も https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/158
 や https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/171
  ゆ https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/189
 ら https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/210
  る https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/863679/215
 わ https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/219
  お https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/234
 刊記 https://dl.ndl.go.jp/pid/863679/1/265

増補語林倭訓栞

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902866
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902867
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902868
 る https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902868/318

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991737

静嘉堂文庫所蔵古辞書集成リール57-60


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Last-modified: 2024-07-22 (月) 21:06:58