舟橋聖一 文春文庫
p.49 ここで、成功するには、まず、言葉からして、茨城でいかなくっちやアなりません。東京弁じやア、いつまでも他国ものです。私もだんだんに、水戸なまりの稽古をいたしやしょう」 p.156 身につけるものの趣味も言葉つきも、いけぞんざいで、少し尻上りの、東北弁のまじる一種の方言もあった p.183 おぼえたての上方弁 p.188 堅くなって、吃り気味 p.192 爺さんは、呂律のまわらぬ発音でいった。が、その抑揚は、たしかに聞きおぼえのある伊助の声にちがいなかった。