今泉忠義
三教書院
昭和十九年二月二十五日発行


誰も残ってゐないな
 残ってをりません
雨が降ってゐる
雨が降ってをる

本を借りて來た
本を借って來た

新鋭隼號を讃ふ歌

本がある
犬がゐる

研究することが出来ない
研究が出来ない
研究出来ない

面白くて面白くてどうにもならなかった
面白うて面白うてどうにもならなんだ

大きな人 大きい人
愉快なこと 愉快のこと

私にも行かして下さい
私にも行かせて下さい

話さなければならない
話さねばならぬ

雨が降った
腰の曲がった人
今日は幾日でしたか

春が来た。山に來た。
鳥が啼く。山で啼く。

本が載せてある
本を載せてゐる

随分お暑うござんすね
 さやうでございます
 さやうでございまして。

お読みなさい
読みなさい
お読みな
お読み

あの方は泣いていらっしゃいます
あの方はお泣きになってゐます
あの方はお泣きになっていらっしゃいます

お連れ申し上げませう
お連れ申しませう
お連れいたしませう
お連れしませう

茶の間で茶を飲んでゐる
お茶の間でお茶を飲んでをります。

遊びに行っちゃいけませんよ
遊びに行っちゃいけないですよ
遊びにいっちゃいけないよ

お降りの方はございませんか。

うん、さうぢゃ
うん、さうや

じんじゃ・じんしゃ(神社)
をののたうふう・をののだうふう(小野道風)

國語の世界的進出と欧米語 歴史と傳統とを缺いたら國語ではない


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 08:44:11