日本語史概説書
倉島節尚
ちくまプリマー新書
二〇一九年三月十日 初版第一刷発行
isbn:9784480683458

はじめに
 世界にはいくつの言語があるか
 日本語はどの語族に属するのか
 日本語を話す人は何人いるのか
 日本語は難しい言語か

文字との出会い 奈良時代以前の日本語
 金石文
 漢字の伝来
 漢字に音と訓が定着する
 古代、ハ行音はパ行音だった?

知識人たちの言葉 奈良時代の日本語
 【音韻】幻のルールに満ちた時代
 【表記】万葉仮名の工夫
 【語彙】短かった名詞
 【文法・語法】書物編纂がさかんに

貴族文化が花開く 平安時代の日本語
 【性格】京都の貴族の言葉
 【音韻】ファ行の消滅
 【表記】ひらがな・カタカナの発明
 【語彙】漢語が広まる
 【文法・語法】和歌にも文章にも係り結びが
 「あめつち」「たゐに」「いろは」「五十音図」

僧侶・武士中心の文化 鎌倉時代の日本語
 【性格】近代への過渡期
 【表記】仮名の使用が広まる
 【語彙】漢字尊重の風潮
 【文章・文体】武士の力強さが全面に

民衆の台頭 室町時代の日本語
 【性格】近代日本語へ向かう
 【音韻】消えた音と生まれた音
 【表記】文化が礼法と結びつく
 【語彙】優雅な女房詞
 【文体】和漢混合文*1の流行
 【文法・語法】単純化への流れ

近代の幕開け 江戸時代の日本語
 【性格】多様化する言葉
 【音韻】音が減る
 【表記】漢字が庶民に普及
 【語彙】漢語の定着
  コラム 幕末に編纂された三大辞書
 【文法・語法】豊かになる待遇表現
 【文章・文体】言文が二分化する
 江戸語と方言
 国学者の日本語研究
  コラム 日本語の研究を行った学者たち
 英語で説明された国語辞典 『和英語林集成』

西欧文化との出会い 近代(明治・大正)の日本語
 【性格】ヨーロッパ化の気運が高まる
 【音韻】東京式アクセントと京阪式アクセント
 【表記】漢字使用の制限へ
 【語彙】和製漢語が作られる
 【文法・語法】受け身表現の一般化
 【文章・文体】言文一致運動
 新聞・雑誌・書籍の刊行
 近代的国語辞典の誕生
 機械によるコミュニケーションの発達と共通語

激動する昭和時代の日本語
 【音韻】外来語の影響
 【表記】常用漢字表などの告示
 【語彙】和製漢語の登場
 【文法・語法】ら抜き言葉が広がる
 ことわざの解釈に変化
 マスメディアの発達
 電話の普及
 昭和時代の国語辞典

IT全盛の時代 平成時代の日本語
 いつでもどこでも
 パソコン利用が普及 emailが日常化する
 電子辞書の実用化
 若者が生んだ新しい表現
 現代の敬語表現

おわりに
 日本語史の時代区分
 記録された日本語
 変化はさまざまな部分に現れる
 変化が続く日本語

参考文献 222-224
あとがき
索引 230-228


*1 本文では「和漢混交文」だが、本文中の見出しでも「和漢混合文」

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Last-modified: 2023-10-03 (火) 09:14:14