川口良
角田史幸
『日本語は だれのものか』

2005.5.1


プロローグ――日本語はどこへ行くのか
 間違いだらけ?の日本語
 正しい日本語とは
 日本語はだれのものか

日本語はどこにいるのか
 日本語は乱れているのか
  「ことばの乱れ」への嘆き 10
   古文に見る「嘆き」
   明治以降の「嘆き」
   ことばは生き物
  若者は「ことばの乱れ」の元凶か 17
   ことばを乱しているのはだれか
   「若者ことば」の歴史的変遷
  文法は崩れているのか 
   文法は変化する
   「ら抜きことば」は正しくない?
   「ら付きことば」は自然?
   レタスことば?
   「さ入れことば」は丁寧?
   活用がちがくない?
   品詞がちがかった?
 日本語の「美しさ」「豊かさ」とは何か
  外来語は氾濫しているのか 39
   「ケータイ」も外来語?
   外来語は「純粋な日本語」じゃない?
   最初の外来語はどこから来たか
   明治期の「外来語の氾濫」
   外来語の浸透
   外来語の最盛期
   カタカナ語容認派?反対派?
  敬語の使い方は乱れているのか 50
   敬語は必要か
   「お寒うございます」は間違い?
   敬語という日本語の伝統?
   「ます・ございます」の誕生
   「です」の誕生
   若者は押し付けがましい?
   ポライトネス
   変化する敬語使用の規則
  美しい日本語、豊かな日本語のために
   多様性こそ美しい

日本語はどこから来たのか
 日本語は一つか
  言語は数えられるか
   日本語は特殊な言語か
   世界中に言語はいくつあるか
   国語と公用語
   フランス語はイタリア語の方言か
   沖縄方言か、それとも琉球語か
   世界の言語の数に正解はない
  日本語は一つか
   「標準語」は一つか
   「標準語」と「方言」の違いは?
  作られた「標準語」 
   「標準語」はいつ作られたか
   日本語の四分五裂
   井上ひさし「國語元年」
   坪内逍遥『当世書生気質』
   「標準語」以前の書きことば
   漢文訓読体
   漢語の氾濫
   国字・国語・国文改革運動
   江戸のことば・上方のことば
   「日本語」の不在
   「標準語」の誕生
 日本語は純粋なのか
  「純粋な日本語」願望 
   「純粋な日本語」を求めて
   「大和言葉」幻想
   漢文で書かれた『古事記』
   混種混血の『万葉集』
   「大和」言葉は方言だった
   日本語の「祖語」は
   「混合言語」としての原日本語
  日本語における「言文一致」運動を振り返る――口語の噴出
   口語こそ言語の生命
   最初の「言文一致」運動
   仮名文字の創出
   限定された「言文一致」
   口語の噴出-近世の日本語-
  日本語の大変容-上代語・古典文語・近世口語・現代語
   文法の変容-動詞の活用1
   文法の変容-助詞・助動詞1
   音韻の変容
   雑種混血の日本語

日本語はだれのものか
 日本語の新たな「多様性」へ向かって 140
  「優れた日本語」?「劣った日本語」? 
   「古い日本語」は「よい日本語」か
   「単一言語・単一民族」幻想
   「標準語」の強制と方言撲滅運動
   「共通語」と「方言」のバイリンガル
   文法は一つか
   「国文法」と「日本語教育の文法」
   「方言」の文法
  「均質な国語」から「多様な日本語」へ 
   日本語の転換期
   「日本人の言語行動」?
   日本の大学生と留学生の言語行動
   ネイティブスビーカーは正しいか
   フォリナートーク
   東京人とアメリカ人の日本語
   在日コリアン一世の日本語
   パラオの老年層の日本語
 日本語の可能性を開く
  「サバルタン」は語ることができるか 
   より豊かな日本語とは
   聞き取れる声、書き表せることば
   聞き取れない声、書き表せないことば
   発語主体の危機と詩的言語
   「サバルタン」は語ることができるか
  日本語は日本人のものか踟
   「母語」日本語と「母国語」日本語
   なぜ日本語で書き続けるのか
   日本語でない日本語
   「愛しのクレメンタイン」
   日本語の勝利
   結語

あとがき
参考文献


参考文献
イ・ヨンスク『国語という思想』岩波書店、一九九六年
伊坂淳一『ここからはじまる日本語学』ひつじ書房、一九九七年
宇佐美まゆみ『言葉は社会を変えられる』明石書店、一九九七年
大野晋『日本語はいかにして成立したか』中公文庫、二〇Q二年
加藤秀俊『日本語の開国』TBSブリタニカ、二〇〇〇年
菊池康人編『朝倉日本語講座8 敬語』朝倉書店、二〇〇三年
金石範『新編「在日」の思想』講談社文芸文庫、二〇〇一年
金時鐘『「在日」のはざまで』平凡社、二〇〇一年
小松英雄『日本語はなぜ変化するか』笠間書院、一九九九年
小森陽一『日本語の近代』岩波書店、二〇〇〇年
真田信治『標準語はいかに成立したか』創拓社、一九九}年
鈴木義里『つくられた日本語、言語という虚構』右文書院、二〇〇三年
徳川宗賢『日本語の世界8 方言』中央公論社、一九八一年
中村稔編『宮沢賢治詩集』角川文庫、一九六三年
野呂香代子、山下仁編著『「正しさ」への問い』三元社、二〇〇一年
ジョン・C・マーハ、本名信行編著「新しい日本観・世界観に向かって』国際書院、一九九四年
三浦信孝編『多言語主義とは何か』藤原書店、一九九七年
山口明穂、鈴木英夫、坂梨隆三、月本雅幸『日本語の歴史』東京大学出版会、一九九七年
リービ英雄『日本語の勝利』講談社、一九九二年
『月刊言語 日本語は乱れているか』二〇〇二年八月号、大修館書店
『月刊言語 〈敬意〉はどこから来るか』二〇〇一年一一月号、大修館書店
『言語学大辞典第2巻 世界言語篇(中)』三省堂、一九八九年
『講座日本語学3現代文法との史的対照』明治書院、一九八一年


トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:03:44