――標準語研究を超えて
2004年11月10日 初版第1刷
工藤真由美
ひつじ書房
ISBN:4-89476-231-5


目次
まえがき
第1部 序論 標準語研究を超えて
 調査の概要 東北方言から沖縄方言まで(工藤真由美)
  1. 調査研究の目的
  2. 調査方法
   2.1 文法調査の理想と現実
   2.2 調査地点一覧
  3. 調査票作成の原理
   3.1 調査票作成の2つの段階
   3.2 調査票の理論的背景
    3.2.1 第一段階の場合 13
    3.2.2 第二段階の場合 19
   3.3 調査項目一覧
  4. 主要なキーワード一覧
 研究成果の概要 アスペクト・テンス・ムードを中心に(工藤真由美)
  1.はじめに
  2. 存在動詞の文法化
  3. 西日本諸方言――時間限界への注目
  4. 東北諸方言――現実性の有無への注目
  5. 沖縄諸方言――発話主体の認識のし方への注目
  6.おわりに

第2部 方言が提起する新しい視点
 述語になる品詞の連続性――動詞・形容詞・名詞(八亀裕美)
  1. 本論文の目的
  2. 海外におけるいくつかの理論
  2.1 品詞論について
  2.2 Giv6n(2001)のtemporal stability
  2.3 Croft(2001)のtypological markedness
  2.4 Pustet(2003)のcopula論
  2.5 その他の理論
  3. 日本語研究における連続的な考え方
  3.1 述語全体を俯瞰する理論的枠組み
  3.2 時間的限定性を視野に入れた動詞論・形容詞論・名詞論
  3.3 日本語の方言の事実と述語の連続性
    3.3.1「形容詞対応関係調査」からみる品詞の連続性 95
   3.3.2 時間的限定性を形態論的に明示する方言 101
  4. 動詞論から述語論へ
   4.1 時間的限定性の「時間的側面」と「はなし手の主体性」
   4.2 今後の課題
   4.3むすび

 青森県五所川原方言の動詞のアスペクト・テンス・ムード(工藤真由美)
  1.はじめに
  2. 存在動詞の文法化
  3.2つの存在動詞について
  4. 運動動詞の場合
  5.おわりに

 青森県五戸方言形容詞の~クテル形式(金田章宏)
  1.はじめに
   1.1~クテル形式の概要
   1.2 人の存在をあらわす本動詞
   1.3 モノの存在をあらわす本動詞
  2.~クテル形式のかたちづくり
  3.~クテル形式の意味と用法
   3.1 特性形容詞と状態形容詞
   3.2 各語形の時間的限定性について
    3.2.1~クテラ形 146
    3.2.2~クテラッタ形148
    3.2.3 ~クテル形 151
   3.3 動詞の希望形式と非存在のナイ
   3.4 語形と機能の関係
  4.まとめ

 福岡地域のアスペクト・待遇・ムード(木部暢子)
  1. 本稿の目的
  2. 福岡地域のアスペクト・待遇体系
   2.1 基本的なアスペクト・待遇体系
   2.2 動詞との関係
    2.2.1 「ヨル」系、「トル」系と動詞との関係 171
    2.2.2 「ゴザー」・「テゴザー」と動詞との関係 174
    2.2.3 「シテアル」系と動詞の関係 176
   2.3   福岡県小郡市の「シヨッテ」・「シトッテ」
   2.4   「オル」・「ゴザル」・「アル」の文法化について
  3.アスペクト・待遇形式と〈実行的ムード〉との関係

 形容詞に接続するヨル形式について
    熊本県下益城郡松橋町の場合(村上智美)
  1.はじめに 問題の所在
  2. 調査の概要
   2.1 調査地点について
   2.2 調査項目について
  3. 調査の結果とその分析
   3.1A調査の結果とその分析
    3.1.1 動詞に接続するアスペクト形式の使用実態 191
    3.1.2 形容詞に接続するヨル形式の使用実態 194
  3.2B調査の結果とその分析
   3.2.1 全体的傾向について
   3.2.2 〈一時的状態〉のヨル形式について 197
   3.2.3 〈反復習慣〉のヨル形式について 198
   3.2.4 〈恒常的本質〉の場合 199
  4.まとめ

 熊本方言における「寂《サビ》ッシャシトル、高《タカ》シャシトル」という形式について(村上智美)
  1.はじめに 問題の所在
  2. 調査の概要
  3. 調査の結果
   3.1 使用の範囲
   3.2 両形式の意味・用法上の共通点
   3.3 両形式の意味・用法上の違い
   3.4 B形式における〈評価性〉について
  4.まとめと今後の課題

 沖縄方言の動詞のアスペクト・テンス・ムード 沖縄県具志川市安慶名方言のばあい(かりまたしげひさ)
  1.はじめに
  2.スン形式
   2.1   スン形式のパラダイム
   2.2   スン形式のなりたち
   2.3   スン形式の意味
    2.3.1   ポテンシャルな未来 227
    2.3.2   開始直前 228
    2.3.3   反復・習慣・法則 230
   2.4   ふたつの過去形 サン/スタン
    2.4.1   アクチュアルな過去 232
    2.4.2   反復・習慣 233
    2.4.3 直接的な知覚による過去のできごと 234
    2.4.4 反復・習慣 237
   2.5   反実仮想・非実現  非レアルな出来事
   3. ソーン形式
   3.1 アクチュアルな現在 動作の継続・変化結果の継続
  3.2 効力
  3.3 反復・習慣・恒常的な特性
  3.4 反実仮想  非レアルな出来事
  4. セーン形式
   4.1 客体結果
   4.2 痕跡
   4.3 効力
   4.4 気づき
   4.5 推論
   4.6   反実仮想 非レアルな出来事
   4.7   その他のセーン形式
    4.7.1   ステーン 256
    4.7.2   ソーテーン
    4.7.3   セーテーン
    4.7.4 形容詞述語、名詞述語のセーン形式 260
  5.おわりに

 シヲリ形とシテアリ形・シテヲリ形
    奄美大島大和浜・津名久方言における(須山名保子)
  1. 当該方言の環境
  2. 地域紹介と表記法について
   2.1 地域紹介
   2.2 音韻と表記
   2.3 本論文の表記法
  3. 動詞の語幹と活用語尾
   3.1 語幹と連用形
   3.2 活用語尾
  4. ri語尾とm語尾
  5. 単独使用のri語尾形
   5.1 シヲリ形の働き
   5.2 語りのダリョーン m語尾の生き残り
   5.3 -riと-TToの違い
  6.シヲリ形とシトゥリ形・シテアリ形との関係
   6.1 併用方言のシヲリ形と、単用方言のシヲリ形の比較
   6.2 単用方言のシテヲリ形
   6.3 単用方言のシテアリ形
  7.まとめと課題

 ウチナーヤマトゥグチ 動詞のアスペクト・テンス・ムード(高江洲頼子)
  1.はじめに
  2.スル形式のばあい
   2.1 叙述法
    2.1.1 ひとまとまりの動作、変化 307
    2.1.2 反復習慣 308
    2.1.3 特性 309
   2.2 意志・勧誘法
   2.3 命令法
   2.4 否定形
  3.シテ(ー)ル形式のばあい
   3.1 叙述法
    3.1.1 継続相 312
    3.1.2 反復習慣 313
    3.1.3 動作パーフェクト 314
   3.2 意志・勧誘法 命令法
   3.3 否定形
  4.シヨッタ形式のばあい
   4.1 直接的な知覚
   4.2 反復習慣
   4.3 非実現
  5.シタール形式のばあい
   5.1 客体結果の存在
   5.2 痕跡の存在
   5.3 否定形
  6.おわりに

索引


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 08:46:04