帚木蓬生 時代小説(古代)
土地の訛りのある言葉が、吐息とともに国人の耳にはいった。
「訛りからして西の方から来ているな」
答えた国人の訛りに気づいたのだろう。日狭女はどちらの国から来たのか訊いた。
国人がすべて理解できる土地訛りで話してくれた。