横溝正史
小説

名琅荘はいつのころからか、迷路荘と訛ってよばれるようになっていた。

田原警部補と速記係の若い屈強の小山刑事は

タマ子の供述を速記していた若い屈強の小山刑事である。

小山刑事は速記録を引っ繰り返していた。

 自分が子供のころにはアリバイなんて言葉はしらなかった。そういえば少年時代読んだ翻訳探偵小説では、現場不在証明とかいてアリバイと振り仮名がふってあった。いまではこういう小僧っ子でも、アリバイという言葉をしっている。探偵小説の影響もまた甚大であるというべきである。


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Last-modified: 2024-06-26 (水) 10:59:36