有吉佐和子 『新潮文庫の絶版100冊』
根っからの大阪人でないらしく、時折出る関東なまりが玉次郎の粗っけずりな神経にもさわる。
大阪弁の問答が面白いのか、玉次郎にユーモアを感じるのか、出席者たちは笑っていたが、
玉次郎は自分の場合を省みて、大阪弁の饒舌を反省したりした。
その東京弁の瑞々しかったのを鼎会の人々は何時までも耳の奥で反芻していた。