当時はラーメンという言葉はまだ日本語として定着してませんでした。中華そば屋だったと思います。
この頃はロマンスと言うが、僕らの時代はローマンスと発音したものだ。
日本人なんだが、ばかに変な外人みたいなアクセントで説明をするんですな。昔は、キリスト教徒でなければ、教会で式はあげなかったものですが、
母は、僕と弟を、徹底的に差別して待遇しました。たとえば僕を「義彦ちゃん」と呼ぶのに、弟は「義輝」と呼び捨てです。ときには下半分だけで「テル」と呼ぶくらいです。飼犬さえ「光子ちゃま」と呼んでいたのに。中野に住んでいた頃など、僕を「お兄さま」と呼ばせようと懸命になって弟を仕込んでいたこともありました。学習院に移ってから、弟は僕を兄貴と呼ぶように変り、それが学習院の言語風俗だというので、母は何も言わなくなりましたが。