横山邦治
読本の研究──江戸と上方と──
風間書院
昭和49年4月30日 発行
目次
序にかえて──「都鳥妻恋笛」から「隅田川梅柳新書」ヘ──
序章 読本序説
第一節 読本の名称
第二節 読本の体裁
第三節 読本の分類
第一章 展回期の読本──天明末年から文化初年まで──
序節 江戸における読本への胎動──「舶辮英草紙」と「奇伝新話」と──
第一節 稗史ものの諸相
その一 奇談ものの展回相について(一)──庭鐘と椿園の長編小説一二──
その二 奇談ものの展回相について(二)──「怪談奇縁」を中心として──
その三 勧化ものの展回相について(一)──「申将姫行状記」と「中将姫一代記」と──
その四 勧化ものの展回相について(二)──「幡随意上人諸国行化伝」と「祐天上人一代記」と──
第二節 中本ものの諸相
その一 中本ものの書目年表稿
その二 初期中本ものと一九の中本もの──その実録的性格について──
その三 馬琴と振鷺亭の中本もの──その主流を形成せるもの──
その四 上方における中本もの──手塚兎月の「小説奇談夢裡往事」を中心として──
第三節 絵本ものの諸相
その一 絵本もの前史──速水春暁斎の絵本もの出現まで──
その二 上方における絵本ものの実相──速水春暁斎の絵本ものを中心に──
その三 江戸における絵本ものについて──高井蘭山の「絵本三国妖婦伝」など──
第四節 図会ものの諸相
その一 上方における図会ものの創始とその実態──秋里籬島の図会ものについて──
その二 創始期の図会もの一二──「聖徳太子伝図会」など──
第二章 全盛期の読本──文化年間から天保初年まで──
序節 仇討もの以前──手塚兎月の読本について──
第一節 仇討ものの諸相
その一 江戸における仇討ものの全盛──京伝の仇討ものを中心にして──
その二 江戸における仇討ものの解体──馬琴の仇討ものを申心にして──
その三 上方における仇討ものの実相──栗杖亭鬼卵の仇討もの一二──
第二節 お家騒動ものの諸相
お家騒動ものの横想とその解体──京伝のお家騒動ものを中心にして──
第三節 巷談ものの諸相
その一 江戸における巷談ものについて(一)──馬琴の巷談ものを中心にして──
その二 江戸における巷談ものについて(二)──小枝繁の「催馬楽奇談」など──
その三 上方における巷談ものについて(一)──栗杖亭鬼卵の「今昔庚申譚」など、付栗杖亭鬼卵について
その四 上方における巷談ものについて(二)──雨香園柳浪の「朝顔日記」など──
第四節 伝説ものの諸相
その一 江戸における伝説ものについて(一)──馬琴の伝説ものを中心にして──
その二 江戸における伝説ものについて(二)──小枝繁の「松王物語」など、付 小枝繁について──
その三 上方における伝説ものについて──栗杖亭鬼卵の「竹箆太郎」など──
第五節 史伝ものの諸相
その一 小枝繁の「景清外伝」について──「景清勾当議略伝」との関連を中心に──
その二 続きもの読本について──その発生と展開の諸相──
第六節 中本もの・絵本もの・図会ものの諸相
第三章 終結期の読本──天保年間から幕末まで
序節 終結期への微徴
その一「絵本輪廻物語」について
その二 「奇伝新話」と「五人振袖」と
第一節 稗史ものの諸相
その一 続きもの読本の終結相──上方と江戸の書肆における──
その二 岳亭丘山の読本について──江戸から上方への移住をめぐって──
その三 好華堂野亭の稗史ものについて
第二節 中本ものの諸相
その一 人情本的中本ものについて──東里山人の「白璧草紙」など──
その二 合巻的中本ものについて──幕末における中本ものの一様相──
第三節 絵本ものの諸相
上方における絵本ものの実相──続きもの的絵本ものを中心に──
第四節 図会ものの諸相
その一 上方における図会ものについて(一)──山田意斎の図会もの──
その二 上方における図会ものについて(二)──軍記と仏典との図会化を中心に──
その三 江戸における図会ものについて──「頼光朝臣勲功図会」など──
むすび──読本研究史粗描──
あとがき
索引