橋本進吉論文
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上田秋成
靈語通
徳川宗武
假名遣

岩橋小彌太「靈語通論」 藝文14-8 「靈語通餘論」藝文21-2
木枝増一『假名遣研究史』
岡本保孝 靈語通砭鍼
呵刈葭

徳川宗武田安宗武
藤原美樹 加藤宇万伎

萬葉集見安
萬葉集目安
萬葉集目安補正
五井蘭洲 蘭洲茗話

!--今のいろはと云物は護命弘法二人のつくれる長うたのごときなり。是にて日本の詞みな/\つくすといふはおぼつかなし。いかんとなれば先今時云かなづかひといふをしばらく置て、人の口より出る聲にて此長歌をよむにハホヘヒムケフ此七字の聲なし。ワふたつ有。ヲ四つあり。エイ各三つあり。又ケフのふたつを合せたる聲あり。是にてことは皆ありといふべけんや。是よりかなづかひといふ事をはじめて、おくのヲくちのヲなどといふ事をいひ出せり。あまねく人にしみこみていぶかる人なし。口より出る聲と文字に書るとくひちがへり。口にはいろわといひて文字にはとかく類なり。いろわと書は、わかよのわと同じ聲出る也。唇舌牙齒喉のたがひありといはば、四十七文字字々みなしかり。この數字にかぎるべからず。-->

玉函叢説
五十連言
五十連音
古言梯


一、靈語通の或御説は、玉函叢説の文と大概同一であるから、徳川宗武の説である事疑無い。
一、靈語通の或御説は、秋成の言ふ如く、傳聞によるものではなく、何か書かれたものから引用したものと認められる。
一、呵刈葭によれば、秋成は假名に關する宗武と美樹との問答書を美樹から借りて寫して置いた。秋成が靈語通に或御説として引用したのは、この書の中の宗武の説であらう。
一、玉函叢説の文は宗武が美樹に示した文そのものではないが、その初の草稿本か又はその基となつたものであらう。
一、靈語通の或御説の出處と思はれる假字問答の宗武の説は明和二年頃のものであり、玉函叢説の文は、その頃か又はもつと古いものであらう。

橋本進吉『文字及び假名遣の研究』岩波書店

参考

飯倉洋一「『呵刈葭』上篇と宗武・宇万伎の「仮字問答」」


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:03:55