水原明人 『江戸語 ・東京語 ・標準語』
講談社現代新書
平成6.8.20発行
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第1章 江戸ことばとは何か?
1江戸語の発生
家康、江戸へ移る
江戸時代の始まり
江戸の町づくり
江戸ことばの誕生
江戸っ子と「六方ことば」
「ベランメエことば」として生き残る
江戸の武家と町人
2武家ことばと共通語
身分、階級によることばの違い
武家ことばと三河ことば
「武家共通語」の登場
嫁入り支度と「女ことば」
江戸上流知識人のことば
武士、町人の共通語
3江戸ことばの地位の確立
参勤交代と江戸ことば
「江戸ことば」の解説書
「お国」とは「藩」のこと
「江戸ことば」の共通語化
「上方ことば」と「江戸ことば」
4幕末の山手ことば
「遊ばせことば」の定着
「ませなんだ」
「いらっしゃる」「うかがう」
第2章 江戸ことばから東京語へ
1江戸から東京へ
徳川幕府の崩壊
天皇の江戸入り
江戸(東京)の変貌
新たな住人たち
旧武士階級の力
2漢語の流行
明治初期の漢語の氾濫
なぜ、漢語が流行ったのか?
外国語の流入と漢語
3明治初期の山手ことば、下町ことば
ノテのカッペの山手ことば
「薩摩気質が一世を風動すること……」
人々の薩摩離れ
東京の山手共通語
「共通語」に溶け込める下地
薩長政府と下町ことば
4変わりゆく山手ことば
「よくってよ」「いいことよ」
女子教育の普及で広がる
「ぼく」と「きみ」
外国語の濫用
「です」の流行
「ます」と「であります」
第3章 東京ことばと標準語
1標準語教育への道
東京ことばとお国訛
教育勅語の発布
戦意の高揚
国家意識のめざめ
言文一致運動と東京の話しことば
「口語文典」の出版
“標準語待望論”
2標準語の登場
国定教科書の言葉の選択
「おかあさん」
国定教科書での扱い
「クワ」と「グワ」
共通語から標準語へ
「方言撲滅運動」
「方言を奪ひ去るときは」
視話法と発音教育
発音矯正教育の末路
3標準語教育とアクセント
アクセントの教育
アクセントの統一
標準語での授業、方言での授業
標準語教育の弊害
4関東大震災と東京の変貌
下町人工の大移動
下町と山手の区分
下町と山手の拡散
関東大震災の変えたもの
東京の話しことばの変化
「見れる」「食べれる」のはじめ
第4章 標準語の普及とラジオ放送
1ラジオ放送と話しことば
ラジオの登場
日本放送協会(NHK)の誕生
アメリカの場合
ラジオ初期のアナウンサー
番組の内容
アナウンサーは「告知者」
ラジオ番組初期の出演者達
語り手の名手の三タイプ
アナウンサーの話し方
音声という武器
朗々調と淡々調
二・二六事件の名放送
2放送用語の改革
耳から聞くことばへの配慮
3アナウンサー公募とその教育
アナウンサー採用の条件
アナウンサー試験
ラジオ放送初期のアナウンサー教育
お国訛が笑いの種に
NHKアナウンサーの語り口
厳しい事前検閲
ナレーションの名手
「話しことば」と「書きことば」
4ラジオドラマと標準語
ラジオドラマの出演俳優
常連出演者の条件
新人女優、山本安英
ラジオドラマ専門俳優(声優)の登場
レコードというメディア
5学校放送の役割
初期の学校放送
大阪中央放送局の試み
「耳で聞く標準語教育」
学校放送と標準語
山手中流階級の集まる学校
第5章 変わりゆく東京語と標準語
1太平洋戦争と標準語
標準語の押しつけ
「雄叫び調」のアナウンス
『日本語アクセント辞典』
標準語神話の崩壊
2東京語の変質
街頭インタビュー番組のはじまり
アナウンサーの口調の変化
「……ちゃった」の普及
「するのだ」と「するんだ」
「よくってよ」「いいことよ」の消滅
3今、標準語を考える
標準語に対する拒否反応
生まれて初めて覚えることば
日本の標準語教育の過ち
ことばとイジメ
「標準語の乱れ」とは
標準語とは何か?
参考文献 226
あとがき 229
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