田中正行『熊本県方言資料篇』

田中正行
『熊本県方言資料篇』

一、 代名詞

わたくし（目上に対し）
わたくし（同輩に対し）
わたくし（目下に対し）
わたくしども……
あなた……
あなた方……
この人……
あの人……
どの人……
その人……
これ
それ
あれ
どれ
それへ
これへ
あれへ
どれへ
そこ
あそこ
どこ
ここへ
あそこへ
そこへ
こっちへ
どこへ
そっちへ
あっちへ
どっちへ

二、 形容詞

よくない
ようございます
よくなった
よかろう
よかった
よい処
よいのです
よければ
よいけれど
よいでしょう
面白い
面白くない
面白うございます
面白くなった
面白かろう
面白かった
面白い処
面白いのです
面白ければ
面白けれど
面白いでしょう
痛い
多い
かわいい
からい
痒い
狭い
ずるい
暑い
小さい
少ない
ひもじい
ひどい
まずい
冷たい
柔かい
危ない
忙しい
恐ろしい
恥しい
眩しい
忌々しい
悪い
かわいらしい
香ばしい
哀れな
立派な
目出たい
有難う
淋しい
退屈な
おとなしい
等しい
馬鹿ばかしい

三、 動詞

咲く
咲かない
咲きます
咲いた
咲くとき
咲くのです
咲けば
咲こう
咲け
咲きましょう
咲くでしょう
教える……
起きる……
蹴る……
着る……
居る……
死ぬ……
来る……
爲る……
歩く
俯く（うつぶく）
あぐらかく
ささやく
咳く（せく）
躓く（つまずく）
抱く
掃く
抜く
風邪を引く
嗅ぐ
跨ぐ
担ぐ（かつぐ）
落とす
あやす（子どもを）
威す
かえす（卵を）
欺す
ともす
蒸す
連れ立つ
沸騰する
湿す
いぶる
焚く
負う（子を）
負う（荷物を）
償う
へつらう
わずらう
叫ぶ
屈む
睨む
休む
ゆがむ
侮る
あやまる
怒る
かわいがる
歡待する
帰る
腐る
加える
加わる
さわる
せびる
捉まえる
叱る
撲る
粘る
怠ける
逃げる
にがす
合わせる
ふざける
捨てる
腹を立てる
任せる
煽てる
目を覚ます
縒る
干渉する
結ぶ
覆る（くずかえる）
こぼす
驚く
縮む
乾く
尋ねる
かぞえる
集める
甘える
あばれる
くたびれる
落ちる
借る
煮る
貯藏する
崩れる
用意する
溺れる
苛める
探す
力む
えぐる
持ちこたえる
みくびる

四、 雑詞

始終
この間
のちほど
あれだけ
漸く
度々
はなはだ
非常に
沢山
一切
みんな
まるで
いくら
到底
ぜひ
決して
克く（よく）
あいにく
矢張り
ちょっとも
其のうちに
俄に
少しも
何しろ
そうすると
したけれども
叱られると思う
それで
私にも読まれる
手紙を書かせる
家をたてさせる
本箱にあろう
勝ったようだ
早く行きたい
見たかろう
この花を下さい
風が吹いた
山へ行く
海に行く
叱られるけれども仕方がない
おそいから寝たろう
馬車が来るからさけた
話をしに行こう
呼びにやったのに来ない
めったに来ない
月が出る
飯が出来る

五、 其の他
　統計的調査
　呼ぶとき(目上に)
　呼ぶとき(同輩に)
　呼ぶとき(目下に)
　返事の言葉

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