『電話帳 家庭データベースの社会史』
中公新書848
昭和62年8月25日発行
目次
序 なぜ電話帳を話題にするか
電話帳 それは最大の出版物
効果的な広告媒体
豊かなデータベース
ニューメディアの先端事業
世相や風俗の資料
国境のないビジネス
1 電話帳の出現
電話交換のアイデア
「ニューヘブン局加入者リスト」
電話をビジネスにした男
複数の電話帳、加入者数を互いに誇示
"電話のかけ方"指南書でもあった
2 広告媒体の発見
ベル系と独立系会社の先陣争い
一九世紀、早くも日本人の名
国より州政府の方が電話行政に熱心
新聞社の最初の「電話帳警戒論」
電話帳を使った商売の始まり
米国版「残留孤児」の橋渡し
中国文電話帳、現われる
ライバル電話局の双方へ加入
亀井ホテル「ホノカア25番」・布哇
114、「ダブルワン・フォア」と言いなさい
3 電話帳出版がビジネスに
先輩格新聞と雑誌のすき間
電話帳共通のトレードマーク
電話帳そのものの宣伝
「市街案内帳」出版社の参入
4 表現方法.著作権思想の抬頭
「ジュゲム」の名前、持ち込まれる
「ドクター」をリスト名につけるべきか
正式名と通称を二重に掲載せよ
やさしい単語で広告コピー
電話帳の著作権論争
「出版参入しないから、ショバ代出せ」
5 世界最大の企業、ATTの進出
電話が第一次大戦の"武器"に
政治の介、「地域一社」法ヘ
イエローページに印刷
地下鉄も経営していたATT
「めったに利用しない店」に向く広告
「イエローページ」の考え方がふくらむ
ATT、名編集長をスカウト
6 出版物としての社会的責任
FCCの誕生と電話熱
ATT、世界一の会社へ
聖書を上回る年間発行部数
住所変更、年間ス一〇〇〇万件
公衆電話台の電話帳、毎日交換
「自動車」だけで九〇の索引項目
信頼される表現とルール
どの家にも電話帳
7 日本の電話帳
明治二三年の「加入者人名表」
短命だった戦前の電話帳広告
「官製電話簿の広告価値より優る」私製版
戦後の第一号はGHQ版?
"私製"電話帳三〇〇〇種
情報化社会の電話"帳"
家庭の"データブック"になれるか
あとがき
参考・引用文献