疑問假名遣 二編二冊
 國語調査委員會編(但し同會事務嘱託本居清造擔當)大正元年-大正四年刊行。歴史的假名遣法は契沖が「和字正濫鈔」を著して之を創唱して以來魚彦の研究、春海の啓蒙的努力等に依って學界の認める處となったが今日の普通語或は又古語に於いても、個々の假名遣に於いては標準となるべき古書にその證明をもとめ難く、學説の一致しないものが少くない。本書はこれ等疑問の假名遣研究の資料を蒐集し研究したもので、前編は疑問の假名遣を有つ語を五十音順に列ね各語について學者の説を年代順に擧げてゐる。後篇は疑問の假名遣を含む語を五十音順に配列して、古書から用例を索めて列ね、假名遣を考證してゐる。斯く古今の學説を集め又古書を檢べ疑問の假名遣についてその是非を調べたもので、歴史的假名遣法は本書を俟って完成の域に近づいたと云へる。
(亀田次郎「国語学書目解題」)


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 09:37:50