石井平太
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951648


第一編  千古の疑問
 第一章 疑問中の最大疑問
  一、死に臨みて禁闕を拝する賊
  二、西郷星が出た
  三、睾丸がちゞみ上る
  四、西郷は大馬鹿
  五、大西郷は大ざつばな人でなし
 第二章 明治初年は活氣横溢時代
  一、桐野對大久保の立派さ
  二、私はお尋ねものゝ古荘
  三、慶喜が西郷さんの主君だつたらどうなさる
  四、軍は心を改むるもの
  五、山岡のせりふ、西郷のこわいろ
  六、これからが大變
  七、つまり兄弟喧嘩
  八、西郷の國體観
  九、大西郷在らば長岡戦はあるまい
  一〇、永山、黒田をよはらせる
 第三章  奥羽征討
  一、 西郷は日の光り、大村は花火
  二、 世良参謀
  三、 出羽の官軍窘窮
  四、 桂公の山伏気取り
  五、 二十六藩の同盟
  六、 先生奥羽出征
  七、 門閥隊の着港
  八、 先生の出羽着
  九、 庄内藩の降伏
  一〇、先生と酒井の殿様
  一一、俺どんは急しい
 第四章 英斷果決
  一、 思ひきりが第一
  二、 怒つて大砲を向けた
  三、 軍賦役の吉之助が居り申す
  四、 日本真二つ
  五、 英雄英雄を知る
  六、 西郷獨り漠然
  七、 抱腹絶倒の斷案
  入、 伊藤公の小量
  九、 先生を賊と論ずる者
  一〇、好機とは何んぢや
 第五章  天を相手の大襟懐
  一、 開いた口が塞がらぬ
  二、 西郷さんの一言、百萬人の味方:
  三、 詰り太政官が弱い
  四、 奉幣使は米田に限りますぞ
  五、 他日露西亞と戦ふ者は雄かい
  六、 其意気組だからあの戦が出來た
  七、 大帝、從道の從軍を許し給はず
  入、 桐野、山路の猛将一言を発せず;
  九、 和助洋行志願
  一〇、又横槍が一本出た
 第六章 精神的人格者
  一、 先生の心理作用の見解
  二、 馬鹿ツと頭から
  三、 蝶蝶の晝寝
  四、 容堂侯へ九寸五分
  五、 幕兵我に勇気を資す
  六、 遇は自己に買ひ取れ
  七、 天が人をして言はしむる
  入、 俺どんが引受けます
  九、 臣吉之助護んで引受けまする
  一O、大百郷は大膽で小心
     (其の一)
     (其の二)
  一一、一杯喰うた

第二編 東洋經綸は日本の天職
 第一章  世界の大勢
  一、 八百長政治
  二、 日本の外交
  三、 御思召あり、役儀召放す
  四、 とって代つてからはどうか
  五、 外勢は好時機であつた
  六、 西南亜細亜の大勢
  七、 朝鮮の無禮
  八、 諸有志の同意見
  九、 交渉絶望
 第二章  龍驤虎搏の大激論
  一、 主務の外務卿が不在
  二、 大變動、大激論(其の一)
  三、 大變動、大激論(其の二)
  四、 大變動、大激論(其の三)
  五、 大變動、大激論(其の四)
  六、 大變動、大激論(其の五)
 第三章 西郷先生の歸郷
  一、 鯰つりは上手な
  二、 虎でも害を爲す虎ではあるまい
  三、 現職俸を送る
  四、 無名の人傑津田田を追憶する
  五、 三條、岩倉の不始末
  六、 水戸の堅實
  七. 台湾征伐は獨りでする(其の一)
  八、 台湾征伐は獨りでする(其の二)
  九、 台湾征伐は獨りでする(其の三)・
  一〇、臺湾征伐は獨りでする(其の四)
 第四章 征韓論後の朝鮮はどうか
  一、 禮砲に腰を抜かす
  二、 内治黨心理の疑問
  三、 島義勇の自棄
  四、 大木君の憤慨
  五、 江藤の慮斷は誰がした
  六、 この大馬鹿やつ
  七、 各官省に獄門の寫真
  八、 河野の死ぬ時の狂態
  九、 大久保の心理解剖
  一〇、伊藤の心理解剖の一
  一一、伊藤の心理解剖の二
  一二、伊藤の心狸解剖の三

第三編  十年の亂
 第一章 武村の吉農夫
  一、 手造り大根を置きます
  二、 政府の威歴と校徒の憤激
  三、 官員録を突き付ける
  四、 木戸、大久保を面責す
  五、 桐野、村田等の心情
 第二章  爆發の導火
  一、 刺客同題の一:
  二、 刺客同題の二
  三、 刺客同題の三
  四、 刺客同題の四
  五、 刺客間題の五
  六、 刺客同題の六
  七、 刺客同題の七

第四編 萬事休矣
 第一章 彈藥奪掠
  一、勅使の早代り藝
  二、十年役の導火線
  三、一丸が十六錢になった
  四、俺どんが體をあげまつしゆう
  五、萬事休す
  六、島津家の最正勤王
 第二章  先生の心の奥
  一、進取的信念
  二、先生の武斷は手段である
  三、先生一言を重んず
  四、先生の理想
  五、奥の底には何が祕められた
 第三章 先生は何故に死なれた
  一、戦は勝たんが爲めではないのか
  二、負けたい爲めの戦爭か
  三、勝伯の弔詩
  四、何んぞ相似るの奇なる
附録
  一、山縣元帥の書
  二、福澤先生の丁丑公論

p.401
深川言葉

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http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951648/187
『太政大臣な、篤と聞いて於て下はれ。今の太政大臣は往昔の太政大臣でなく、王政復古、明治維新の太政大臣でごわす。日本を昔からの小日本で置くも、大神宮の御神勅の通り、大小広狭の各国を引き寄せて、天孫のうしはき給ふ所とするも、皆おはんの双肩に懸って居り申すでごわんす。日本も此儘では、いつ迄も島国の日本の形体を脱出することは出来申さん。今や好機会好都合でごわすで、欧羅巴の六倍もある亜細亜大陸地に足を踏み入れて置きまつせんと、後日大なる憂患に逢ひ申すぞ。朝鮮と清国とはこけおどかしで、決して怖るゝに当り申さん。魯西亜は、国民の耳目を外国にそらさせる事を始終致し申さんでは、自己の身体が危いのでごわす。大兵を出して日本を征するなんちふ事は、とても出来まつせん。今俺どんが言ふ事ばおきゝやらんと、後日この倍も其又倍も骨が折れ申す。そしてどう骨折っても、俺どんが今言ふごとせんばならんとでごわす。どふでもかうでも、日本の神慮天職でごわすけん、結局朝鮮を外垣《そとがき》として、後に朝鮮を策源地と申して、魯西亜と手を曳き合ふ事になり申す。しかし、一度は戦争をしまつせんと、相手の事情も力量もほんとうに呑み込めまつせんから、仮令仲善うなり申しても、皮相の同盟で、誠意の同盟は出来まつせんから、ちょっとの利害でぢきくづれますぞ。此通り成り行く事は、この隆盛が判断したとではなか。実に天地の御神旨、日本の国命がこの通りでごわすから、いやでも遅かれ早かれさう成り行きます。おはんな俺どんよりか十二も年下ぢゃけん、俺どんより後へ生き残りまっしゅうで、只今申した事はよう覚えちおって下はれ。』と。

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 08:44:03