文部省
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語彙別記 二巻一冊
木村正辭外八人共著。明治四年刊(明治十八年翻刻出版)。本書は言葉の活用及び辭の運用を記したもので、明治四年文部省か木村正辭以下の諸氏に命じて編纂させた辭書「語彙」の「あ」の部と共に刊行したものである。詞の活用については作用言として八種、形状言として二種、合計十種を挙げ、次に作用言の活用圖を記してゐる。而してその活用は將然・連用・終止・連體・已然の五段となし、又形状言の活用は六段に分って、連用言・將然言・終止言・連體辭言・連體言・已然言となし更にこれ等の説明及言葉の自他を説いてゐる、以上は上巻に述べる所で、下巻には作用言・形状言の各段に接續する手爾遠波を説き、又作用言の八種について命令形の説明をしてゐる。以上所説を通覧するに、動詞に於いて下一段活を示さず又活用に命令形を除いたるが如き(尤も別に下巻末で説いては居るが)その他不備缺陥が決して少くなく文法書として甚だ不備で義門・廣蔭等の研究に劣るものである。
【參考】* 「[[語彙別記指掌]]」一巻一冊 明治四年刋。(亀田次郎「国語学書目解題」)