遠藤周作
「早う、歩いてつかわさい[…]異教徒《ゼンチヨ》たちに見らるっといかんですもん」
「はい、パードレ、わしら、パードレのことは口ば割らんやった[…]またお役人が来られたっちゃ口ばわりまっせぬ。どげんことんあったっちゃそげんしますけん」
「パードレ、わしらは踏絵基督ば踏まさるとです[…]足ばかけんやったら、わしらだけじゃなく、村の衆みんなが同じ取調べば受けんならんごとなる。ああ、わしら、どげんしたらよかとだ」
「濁音の多い土地言葉」
「パードレも和語に相当、通じとられるようだが」