阿川弘之

岩手県盛岡の出身で、言葉に少し東北なまりがあり、極端な無口だから、鈍重な感じがするし、何を考えているのだか分らない。

 なぜそんなに極端な無囗だったか。おそらく生得のもので言葉の訛りとは無関係だと思われるけれど、彼が少々ズーズー弁で、長女のふき(東洋英和女学校卒)をはじめ子供だちから、
 「お父さんが東洋英和と言うと東洋イイワに聞える」
 と家でひやかされていたのは事実である。

濠洲訛り

東北弁の二人

米内は、
 「野村さんの英語は和歌山弁だよ」
 と、自身のロシヤ語がズウズウ弁なのを忘れたようなことを言っていたが、

 とみは、八十過ぎても毎日せっせと針仕事で、海軍大将の息子に、
 「光、こうさねばわがらねアンステ」
盛岡なまりの説教をし、

小泉(信三)はその晩の思い出を、[…]声は静かで太とく言語には少しばかり東北のアクセントがあり

盛岡なまりで呼びとめられた。

「用意成れり」のところに二世風のアクセントがあって、「用意」が「容易」に聞えた。


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Last-modified: 2023-06-22 (木) 19:22:27