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ゐんきやうはつき
韻鏡發揮 一巻 大澤賚
舊本韻鏡を刪存攷定したるものにて、天保十三年壬寅〔二五〇二〕の自序を附す。
◎大澤賚の傳は「字音假字用格辨誤」の下にあり・
韻鏡發揮一巻は江戸の大澤賚の攷定せる所で天保壬寅(二五〇一)の刊。韻鏡は服虔が基を立て周〓沈約が潤色し陸法言が集成したらしく經典釋文も之に背馳せるは百に二三と無いから其の缺を傳へたものと断言し、もと師口より徒耳に傳ふる所の訣だから今本には倒誤多しとて、字母にも于(喉清濁)流(舌歯)を増して卅八とし四十三轉は同じきが之に收むる文字には改増少からす、韻鏡を發揮せるでは無く其の一家の見を發揮して居る。此の書には又易索二巻が件ひ、發揮に出した文字を畫數別にして各字の下には右に訓、中に反切、左に轉數を註して居り、静嘉堂文庫には又 韻鏡發揮同音考九卷が有る。
(岡井慎吾『日本漢字学史』)