国語学辞典 矢田部達郎


喃語 (心理)孤立的喃語と連続的喃語とを区別することができる。前者は二カ月ごろに現われ、嬰児が気持ちのよい時に「オックン」とか「オンゴン」とかいう発声をすることである。後者は六カ月ごろに現われ、まだ、はっきりしないが、かなり多種類の発声を連続的に行う場合で、これを通例、嬰児の「お話」と言う。やはり気持ちのよい時の行動であるが、多くの学者によっておそらくは言語発声活動の準備段階であろうと考えられている。喃語を構成する音を早く現われる順に示すと、摩擦音・破裂音・半母音・鼻音(別項)の順で、それが起る位置から言うと、喉頭音・軟口蓋音・歯音・硬口蓋音・唇音・歯唇音の順であると言われる。成人の発音では母音と子音との現われる率はだいたい一対一であるが、喃語では母音がきわめて優勢であって、だいたい四対一ぐらいになっている。           〔矢田部達郎〕


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:08:08