p.81 中国人なら、筆談が可能である。しかも中国人は語学の天才ぞろいで、二年も日本に住んでいると、大阪弁も巧みに操ったから、
p.252 関西弁の軽妙さソフトさを使いこなしてのコピーだが、当時、大阪では、東京にない味わいをもつ関西風のコピーが流行していた。
p.355 この席では、思い切り大阪弁して、ええしになった気取りを忘れて、
p.362 恍けるのに大阪弁はまことに都合がよかった。
p.379 大阪弁でどなりつけると、あきらめて米兵は帰っていった。
p.380 大阪弁と後は手真似で器用に信治郎は意志を通じさせている。
解説 川又一英
大阪弁が相手では、東京もんは分が悪い。たとえば、である。
-やってみなはれ。
これを東京言葉で、どう置き換えたらよいのか。
-やってごらんよ。
では、権威を喪失した父親の言い草であるし、
-やってみなさい。
などでは、教育ママか教師の口吻になってしまう。つまりは、東京言葉では太刀打ちしがたいのである。