半濁音 國語學【解説】音の種類の一つで、假名に○符(半濁音符)を添加して書き表はす音節。パピプペポの類で、ハ行以外にはない。その音節の最初の子脅はPで無聲音である。この音が特に注意して他と書きわけられるやうになったのは、江戸時代かららしい。江戸時代の國學者は、この種の音は、漢語その他の外來語か、又は後世轉訛した語にのみあって本來の日本語にはなかったものと考へたが、明治以後、ハヒフヘホの音は、甚だ古い時代にはpapipupepoであった事が明かになった。但し遅くも平安朝に於ては、ハ行音は既にパ行音でなくなってゐたものと考へられるから、それ以後のパ行音は、古い時代の發音が特殊の場合に殘つたものか、さもなければ外國語から輸入せられたものである。
【参考】國語音聲學 神保格○漢字三音考 本居宣長○P音考上田萬年(国語のため所收「語學創見」の中)           〔橋本〕
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新潮日本文学大辞典 橋本進吉

はん-だくおん(半濁音) パ・ピ・プ・ペ・ポの五っ音の古稱。次清音ともいふ。これらに通存する子音はpなれば勿論無聲なり。無聲子音とア・イ・ウ・エ・オとの結合より成れるものを清音とせば、パ等も亦清音とせざるべからず。印度にても支那にても其音韻學に於てはこれを清音とせるは、もとより其所なり。しかも我國にてはこれを清音とぜず。バ・ビ・ブ・べ・ボを傳來の稱の如く濁音とするに對して、無意義にもハ・ヒ・フ・へ・ホを其對當清音なりと断じ、從てバ等は兩者の中間にある如く認むるに至り、これをいはゆる清音ハ等に隣せしめては次清音と稱し、これを濁音バ等に近けては半濁音と稱したるなり。其「半」とは蓋し幾分の義なるぺし。いはゆる清音を正音とし濁音并にパ等を訛音とする歴史的見解も亦これに加はれるなり。〔藤岡〕

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岡島昭浩「半濁音名義考」 『筑紫語学論叢』風間書房


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Last-modified: 2020-08-15 (土) 12:45:00