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さつじやうしふ
撮壌集 寫本三卷 飯尾永祥
此の書は分類體の漢辭書なり。往々片假名にて訓みかたを附けたるもあり。上巻に天象部より衆色類附算数並假荘に至る十部。中卷は地儀部より家屋部に至る十四部。下巻に人倫部より繪部に至る十三部あり。後花園天皇の享徳三年甲戊〔二一一四〕に編輯したるものなり。「續群書類従」卷八百八十九にも収めたり。
撮壌集 三巻
享徳の頃飯尾永祥の作れるもので、分類體の辭書である。本質的價値は餘り高いと云へぬが、製作年代の比較的古い點で注意される。室町時代國語研究の資料として又その語彙は一般國史、風俗史、宗教史方面に貴重な資料を提供するものと思はれる。
(亀田次郎「国語学書目解題」)